定年前後にリゾート物件を買った方がお得?
あなたは定期的な検診や、人間ドック等で通常と違う数値が出てきた時、身体にちょっとした違和感があった時、どのような行動をとっているだろうか?
掛かり付けの医者がいれば、すぐに相談しているであろう。
特定の医者がいなければ、複数の病院に足を運んで、意見を聞くこともあるだろう。
自己流で勝手な解釈をしたり、定期的な検診や検査を怠り、気付いたときには取り返しのつかない病状になってしまった人の話はよく耳にする。
健康に対しては敏感に対処している人が多い反面、日本では、お金に関しては自己流主義の方が大変に多い。
あなたには信頼してお金の事を相談できるオブザーバーが、何人いるだろうか?
かたやバブル時代の高利回りの金融商品を持ちつつ、かたや住宅ローンを組んで、高額の利払いをしている。
こういったファイナンシャル上の矛盾を多く抱えている方はとても多い。
こと、住宅についてはこの矛盾が取り返しのつかないところまでいってしまうケースが多い。
良き相談相手の不在は、日本のお金に関する認識不足が起因している。
日本には、星の数ほどのファイナンシャルプランナーがいる。
銀行の窓口でにこやかに対応してくれる行員さんの多くがこのファイナンシャルプランナーの資格を有している。
毎日足繁く通ってくれる保険の外交員の方々も同様である。
当然、優秀な方々も数多くいらっしゃるでは一概に言い切れないが、皆、安心して銀行の窓口や、昼休みの職場で将来を見据えた相談をしているのか、というとそうではない方が大半であろう。
まだまだ日本では、本来独立した立場と見解を持つべきファイナンシャルプランニングという専門職が、銀行FPや生保FPといった、特定の商品を扱った業界に属し、それらの商品を販売する目的で実施されているケースが大半、というのが実情と言える。
少々前置きが長くなってしまったが、人生最大の買い物と言われる住宅に関するファイナンシャルプランニングが、とても重要かつ責任のあるポジションにいると思われる。
ここがぶれてしまうと、プランニングの骨子が揺らぎ、人生設計が足元から崩されることになる。
さて、あなたは今、どのような家に住んでいるだろうか?
豊かな老後を過ごすためには、どのような住まい方が望ましいのであろうか?
昨今、定年間際に、都心もしくは交通の便の良い立地のマンションを購入する方が目立って増えてきている。
子育てが終わり、今までは、家族の人数分だけ必要だった間取りが、夫婦2人のみとなり、階段や段差があったり、庭の手入れが頻繁に必要だったり、外出するときにいくつもの鍵を閉めて出ないといけない、駅から遠い戸建よりも、鍵1個で外出でき、家の中に階段や段差のない、冷暖房効率の高いマンションに移り住む方が増えている。
また、現役時代は社宅や出来る限り負担の少ない賃貸住宅で過ごし、定年退職を契機に郊外のリゾート地に不動産を購入してしまうという方も多い。 実は住宅費総額としては、この方法が最も支出が少ない。
都心に不動産を購入すると、ローンの利払いの他、固定資産税、都市計画税等の税金や、マンションであれば管理費、修繕積立金、戸建でも定期的な修繕費(10年で200万程度)の
負担は避けられない。
確かに賃料はすべて掛け捨てで1円も資産として手元には残らないが、資産を持つことによって増大する負担額もある。
そもそもマンションは資産と言えるか、という考え方もある。
確かに完済すれば自身の持ち物となるが、その時、建物も老朽化している。
その減価償却分を考えると、一考の余地がある。
30歳から30年間、60歳まで月10万円の賃料を払ったとして支払総額3600万円。この時点でリゾート地に3000万円で不動産を購入。それ以降の税負担や修繕費を1000万円としても住宅費総額で7600万円。
30歳で4000万円の住宅ローンを金利3%30年全期間固定で借りて、返済総額6071万円。固定資産税、都市計画税、修繕費等で40万円/年として80歳まで2000万円。その他コストはかからないとして計8061万円。繰上返済で利払いを軽減できたとして7700〜7800万円程度。
一概には言えないが、年間の賃料が100万円強で収まる方は、賃貸の方が有利というケースが多いのが実情である。
住宅は購入する事が目的ではない。そこに住んで快適な生活を送る事が目的である。
現役時代の便利さに重点を置くのか、それとも定年後の趣味やライフスタイルに重点を置くのか。
選び方によって天と地ほどの差が出てしまうのが住宅なのである。





