「賢者のライフプラン」<住宅編> 〜住宅を「金喰い虫」にさせないために〜
あなたは今、どんな家に住んでいるだろうか?
賃貸?それとも持ち家?一戸建て?マンション?
今回は「住宅」という切り口からライフプランを眺めていきたい。
「住宅」=「資産」 と不動産の営業マンに言われ、納得して高額の住宅ローンを払い続けている方は多いだろう。
私に言わせれば、「住宅」≠「資産」である。
住宅購入に際しては、多額の出費がかさむ。 住宅ローンの支払の中、元金返済分は当然仕方のない支払額である。借りたものは返さないといけないので、これは当たり前。
しかし、返済利息、固定資産税、都市計画税、修繕費、管理費等 は不動産を資産として持つ以上、どうしても負担しなければいけない金額でありながら、不動産の販売現場では決してクローズアップされない金額である。
これらのコストは、不動産の所有者が負担する。購入すれば購入者が、賃貸住宅であれば、大家さんが負担する金額である。
この負担額を仮に35歳から80歳までの45年間で試算すると、マンション、一戸建てにかかわらず、一般的な住宅で少なくとも1500万〜2000万円くらいはかかってしまう。
仮に4000万円の借入を3%の金利で30年借入した場合、返済利息は約2070万円。
頑張って繰上返済をして、返済利息を減らしたとしても3000万〜3500万円の金額を “掛け捨て”ている計算になる。
では一生懸命、手持ち資金を貯めて頭金をしっかりと積んだ後、不動産購入をすれば金利負担が少なくなり“掛け捨て”リスクが軽く出来るのか。
答えはノーである。
当然手持ち資金を貯めている間、負担し続ける家賃も“掛け捨て”金額であるし、そもそも今の金利環境であれば、住宅ローン金利は上昇基調にある事は間違いないであろう。
とすると、この先住宅ローンを組もうとすると、仮に借入額を減らしたとしても、却って返済総額が上がってしまう事も考えられる。
仮に住宅ローン金利が3%から4%に上がった場合、35年返済で比較すると、
4000万円 35年 3% の借入 → 返済総額 6465万円 に対し
3500万円 35年 4% の借入 → 返済総額 6508万円 となる。
借入が500万円少ないのに返済総額はなんと43万円増加してしまうのである。
これに貯めている期間の賃料を加えると、とんでもない金額になってしまう。
住宅購入者は賃料の“掛け捨て”が嫌で「資産」という名目で不動産を購入する。そしてその「資産」を所有するために、多額の“掛け捨て”をするのである。
「住宅」=「資産」ではなく、「住宅」の中の「土地」であったり、駅から至近の「立地条件」等に資産価値があるのである。
また、住宅を「老後」という視点で見る事も重要である。
70歳以上の方に積極的に賃貸住宅を提供してくれる大家さんは現状ではまだ決して多くない。
お歳がいかれた方ほど、長期間住み続けてくれるという大家サイドから見るとメリットのある相手でもあるが、大家都合で不動産を売却、建て替え等する場合の立ち退き交渉をする際、難航する可能性があったり、その家で最期の時を迎えてしまう可能性も大きい。
公的な賃貸住宅に高齢者の方が集まってくるのは、そういった理由が多い。
不動産を購入する事によって、新たな“掛け捨て金額”が発生する事を承知の上で購入を決めているなら、少しでも早い方がいい。
不動産購入を決めかねているのなら、「購入しない」という選択肢も十分成り立つ事を前提としつつ、それに見合った対応策を早期に練っておく必要がある。
既に購入しているのなら、いかに出金(でがね)を減らす為の努力を、しっかりとしておく必要がある。
「退職金で完済すればそれでいい」などどいう安易な発想は直ちに捨てて頂きたい。

4000万円の借入を3%で35年返済をした場合、ローン返済5年目で約70万円の繰上返済が出来れば、約100万円の利息が軽減できる。
仮に、退職金でローン終了間際、100万円の利息を軽減るすためには、約1010万円の繰上返済が必要となる。
生涯収支を100万円改善するために必要なコストが、14倍以上も必要になってしまうのである。
入金(いりがね)を増やす努力は、日々、満員電車に揺られ、会社に行き、納得のいかない上からの指示、考え方のよくわからない部下にもまれ、甚大な力を割いてやられている事と思う。
その努力に対し、出金(でがね)を減らす為の努力は驚く程されていない方が多い。
お金の事をもっと分ってあげて頂きたい。
自分と家族の幸せのために。





