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2007/05/07

「のだめカンタービレ」はこのオーディオで聴くべし

 さて、しばらく外へ出ていろいろなオーディオスペースを探訪しているうちに街もすっかり緑の季節となり、いよいよ大型連休が近付いてきた。今年も5月2日から6日までは、東京国際フォーラムでラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン「熱狂の日」音楽祭2007が開催される。  
 今年のテーマは「民族のハーモニー」。
 今年没後100年を迎えるグリーグ、没後50年を迎えるシベリウスを始め、ドヴォルザーク、チャイコフスキーなど国民楽派の音楽を中心に約300の公演が予定されている。

 実は昨年末、同じ会場で「のだめフェスティバル」が開催された。
 この催しには、高校生、大学生を対象に、「熱狂の日」音楽祭2007音楽祭への出場権をかけた「のだめカンタービレ杯」が同時に行なわれるなどの話題もあり、実に8万5千人が参加したと言われている。
 「のだめカンタービレ」は、昨年、玉木宏と上野樹里のコンビでドラマ化されて話題となったクラシック系人気コミックであるが、発行部数1,800万部を超えるこのコミックの爆発的な人気は、日本に一大クラシックブームを巻き起こした。

 最近、どこのCDショップや楽器店をのぞいても、店頭にのだめコーナーがあって、のだめ(実は野田恵という音大生の名前)のコミックや関連本、それにドラマに登場するクラシック音楽の楽譜やCDなどがところ狭しと並んでいる。

 よく通っているCDショップの店員も「こんなにクラシックが売れるのは最近では珍しいことですね」と話していた。

 そこで今回は、この「のだめブーム」にあやかって、「のだめカンタービレ」に登場するクラシック音楽を、ずばりこのオーディオで聴こう、という特集を連休スペシャルとして企画してみた。
 この連休には、ぜひ御自宅やお近くのオーディオショップにて、今回登場するようなクラシック音楽をゆっくりと楽しんでいただければと思う。

(1) モーツァルト 2台のピアノのためのソナタ ニ長調K.448
 千秋とのだめが初めて合奏した曲。
 聴くと頭が良くなる?と騒がれた曲でもある。
 アルゲリッチ&ラビノヴィチ、あるいはペライア&ルプーといった大家同士の組み合わせもよいが、ここでは、モーツァルトが生きていた頃の18世紀の楽器(フォルテピアノ)を日本人が演奏したものを推薦しよう。
 鄙びた音色だが、おそらくモーツァルトはこのような音を聴いていたのであろう。
 このCDは、2006年度の音楽之友社レコードアカデミー賞を受賞した名盤でもある。このような曲こそ小型で品のあるシステム – 例えば第4回で御紹介したイタリア ソナスファベールのコンチェルティーノ – で聴きたいと思う。使用するアンプも、同様に小型でも音に品位のあるものが好ましい 。英国のミュージカルフィデリティやデンマークのボウ・テクノロジーズのプリメインアンプなどはいかがであろう。

(2)ガーシュウィン ラプソディ・イン・ブルー
 のだめがマングースの着ぐるみを着てピアニカで演奏した曲。
 ドラマのエンディングにも使用されている。
 ウェストサイド・ストーリーの作曲者でアメリカが生んだ世界的名指揮者レナード・バーンスタインが自らピアノを弾いてスウィングした名盤を推薦しよう。
 私的にはロサンゼルス・フィルとの新盤よりもコロンビア交響楽団との旧盤の方が若々しくてよい演奏だと思う。この曲は第10回で御紹介した真空管アンプとフィールド型スピーカーの組み合わせでぜひ聴いてみたい。















(3)ベートーヴェン 交響曲第7番イ長調作品92
 千秋が初めて指揮した曲。
 ベートーヴェンの交響曲の中では今、最も人気のある曲の一つであろう。
 重厚、華麗、ロマン性のすべてを兼ね備えた名曲であり、多くの名指揮者と名オーケストラが競って録音を残しているが、ここでは少し趣向を変えて、リスト編曲のピアノ版をシプリアン・カツァリスが演奏して話題となったCDを推薦しよう。
 ちなみにカツァリスは全9曲の交響曲のピアノ版をすべて録音している。
 このような複雑な音の世界を繊細かつ音楽的に再現してくれるのは、例えば第2回で御紹介したアポジーではないだろうか。
 アポジーは見かけは大きいが、実は大曲よりもピアノや室内楽、そして声楽を美しく聴かせるスピーカーである。もちろん、アンプには前にも書いたようなスピーカー相応のグレードのものを使用してほしいと思う。
 あるいは、繊細かつ音楽的な再現という点では、同じ平面型スピーカーである英国クォードのコンデンサー型スピーカーもお薦めできる。

(4)ブラームス 交響曲第1番ハ短調作品68
 千秋がオケの演奏会で取り上げた曲。
 ベートーヴェンの第10交響曲と言われる曲だが、私的には、これこそ交響曲の代表と言いたくなるような、壮大な男のロマンを感じさせる名品である。
 私はこの曲のCD、レコードを、おそらく10種類以上の異なる演奏で聴いているが、やはり古くはフルトヴェングラー、次にベーム=ベルリン・フィル、そして比較的新しいものではバーンスタイン=ウィーン・フィルを採りたい。
 いずれも壮大かつスケールの大きい演奏である。
 また、最近発売されたティーレマン=ミュンヘン・フィルはなかなか個性的な名演である
 ティーレマンの古風とも言えるドイツ・ロマン派的解釈は、フルトヴェングラーを始めとした往年の巨匠達の演奏スタイルを思い起こさせる。
 さて、この曲は、スケールの大きいクラシックの再現では右に出る者はないという定評の英国タンノイのスピーカーで聴くことにしよう(写真)。
 デュアルコンセントリック・ユニットによる定位感ある音場といぶし銀のようにコクのあるその音色は、まさにクラシックの王道とも言えるこの曲の再生にふさわしいものであろう。

 次回は、楽しく音楽を聴くためのユニークなオーディオ製品を御紹介しよう。







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