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2008/09/14

フルトヴェングラーのSACDとSHM-CDは買いか?

3回前にSHM-CDの特集をしたが、まずその続報から始めよう。
この特集の時は、従来のCDやゴールドCDと比較してSHM-CDは音質が優れているので購入を薦めるという主旨のことを書いたが、この考えは今は揺らいでいる。

実はあのあと、ムラヴィンスキー指揮のチャイコフスキー3大交響曲やバーンスタイン指揮のブラームス交響曲全集などのSHM-CDを従来盤と比較試聴した。
しかし、いずれの場合も残念ながらSHM-CDは音のバランスがわるく、繰り返し聴く気持ちになれなかった。

この比較試聴は、オーディオ装置の特性に大きく依存する面があるので、あくまでも私の装置の場合とお断りしておくが、とにかく、以前の特集で取り上げたリヒテルのラフマニノフとかカラヤンのブラームスのように従来のCDの音が冴えないという場合以外は、SHM-CDはむしろ音が刺激的になりすぎて好ましくない。

最近、SHM-CDと従来盤を同じ曲目で比較試聴できるCDサンプラーが発売されたので、興味のある方はぜひ一度お試しいただきたい(写真)。

さて今回の主役は、昨年の今頃取り上げた、世紀の大指揮者フルトヴェングラーである。

昨年は主に45回転盤などを中心に比較試聴を行ってみたが、今回はついに発売されたターラのSACD、そしてSHM-CDを取り上げる。

もう50年も前に亡くなった指揮者が、いまだにこうして大騒ぎされていること自体、現代にこのような巨匠、英雄が不在であることの証なのかも知れないが、とにかくフルトヴェングラーは今でも圧倒的な存在であり、別格的指揮者なのである(写真左)。

そのことを改めて感じさせてくれるのが、今回、ターラから出たSACD盤「ルツェルンの第九」である。

1954年彼の死の年、ルツェルン音楽祭でフィルハーモニア管弦楽団と演奏したこの第九は、晩年の演奏スタイルを示した名演として彼の3大第九の一つに数えられている。

ターラから発売された通常盤は1995年にヒストリカル部門でグラモフォンアワードを受賞している(写真右)。

今回、24ビット、192kHzサンプリングによるこの名演のリマスターSACDが同じターラからついに発売された(写真下)。

これはレコードを再生してから、その音をSACD化したものとは根本的に異なっている。

いわばマスターテープそのものの音が聴けるといってもよいものであり、実際このSACDの音は期待に違わない素晴らしいものであった。

これまで靄や霞の向こうにいたフルトヴェングラーが目の前に現れた感じとでもいうのか、とにかくモノラルということを除けば、現在でも十分通用する音質であることに驚かされる。





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