話題のSHM-CDの音質を評価する
最近CDショップの店頭には少し異変が起きている。
SHM-CDのロゴ(写真)の入った「生産限定盤」と称するCDが次々と現れては、ショップの陳列棚に並ぶようになったのである。
「CDの大革命到来!」、「異次元の領域!」などというキャッチフレーズのポップが購買意欲をそそるが、当初「驚異の高音質」と謳われたCDの現状を知る我々としては、容易にこのキャッチに踊らされるべきではない。そこで今回、このSHM-CDと従来盤との音質の徹底比較を行って読者の方々のご参考に供することとした。
聴き比べは、SHM-CD vs ゴールドCD、SHM-CD vs SACD、SHM-CD vs 通常盤CDという3番勝負によって行ってみた。
まずSHM-CDが何かという話から始める必要があるが、これはCDショップのチラシやポップ、そしてホームページ等に多く記載されているので簡単にご紹介するに留めよう。
これはCDの素材を改良した新しいCDということで、従来のCDがポリカーボネ−トを材料に作られているのに対して、このSHM-CD(Super High Material CD)は、超高素材CDという名前の通り、液晶パネル用のポリカーボネ−トを用いて作られている。これまでもAPOやアートンといった新しい素材を用いたCDが限定的に発売されてきたし、最近ではガラスCDという驚くような値段のCD(音も素晴らしいそうだが筆者は未聴)も発売された。
今回、SHM-CDがこれまでの新素材CDとは異なって、次世代のCDの極く、大規模に販売されている理由や背景については筆者も詳しくないが、想像するところ、
(1) SHM-CDが従来のCDに比べて音がよいことがはっきりわかる。
(2) スーパーオーディオCDが、再生に専用のCDプレーヤーが必要等の理由で広く普及して
いないので拡販が見込めないのに対し、SHM-CDは従来CDと同じフォーマットなので通
常のCDプレーヤーで再生が可能であり、拡販が見込める。
(4) CD市場の売り上げが頭打ちで、新たな展開を図る必要がある。
といったところであろうか。
いずれにしても、技術的な部分と営業戦略的な思惑がからんでいるものと思われる(写真:SHM-CDの優れた点を示したデータ)。実際、SACDという上位フォーマットが存在するにもかかわらず、今回SHM-CDという、ある意味、技術的に中途半端なCDを、なぜ拡販しているのか、筆者ははっきり言って疑問を感じている。
これまで我々はレコード、CD、ゴールドCD、SACDなど何度も同じソースを買い替えてきたし、今回このSHM-CDを一通り売った後で、「次はSACDです」というようなやり方を考えているのだとしたら、初めから全タイトルをSACDで発売して、むしろSACDプレーヤーの低価格化と拡販に力を入れるべきだろうと思ってしまう。





