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2008/07/20

帰ってきたアポジー(2)その驚異のメカニズムとは?

前回は帰ってきたアポジーのことをお話ししたが、考えてみれば年齢が20代、30代の方にアポジーと言っても、アナログレコードの話題以上に過去の出来事、過ぎ去ったオーディオのように思われるかも知れないので、今回はその歴史や驚くべき時代の先端を行くメカニズムについてお話ししようと思う。

 アポジー Apogee Acoustic. Inc.は、1982年、ちょうどCD(当時はコンパクトディスクと呼んでいた)がデビューしたのと同じ年に、巨匠バーンスタインを生んだハーヴァード大学やノーベル賞学者利根川進を擁するMITが存在する、アメリカ有数の学術拠点であるマサチューセッツ州に誕生した。

 リボンスピーカーを夢見た設立者のジェイソン・ブルーム、そして彼の妻の父が紹介したといわれる航空技術者、特に軍用機などの方向探知機のスペシャリストであったレオ・シュピーゲルと、これまたジャイロスコープなどの専門家であったゲイリー・ウォーカーの参画を得て、1983年にアポジーはついにオールリボンスピーカーを発表したのである。

 アポジーapogeeとは「頂点」「最高点」という意味で、文字通りスピーカーの最高点を目指すという意味でつけられたこの社名通り、それまでに挑戦したメーカーはあったが実用化には至らなかったフルレンジ・リボンスピーカーを彼らは初めて完成させたわけだが、これを可能にしたのはリボンの成型はもちろんのこと、磁気回路の設計なども含めた同社の技術力の高さがあったからと言われている。

 この、高さが約2m、幅が約90cm近い一号機「アポジー」は、そのスピーカーらしからぬ外見と、アルミリボンの銀色の輝き、そして何よりその聴感上の素晴らしさで衝撃を与えたということだが、この大きさのスピーカーを一般家庭に置くのは、特に日本のような狭い家屋ではどうにも無理があるので、このオーナーは限られると思われた。

 しかし前回も書いたが、翌1984年に発表されたシンティラScintillaは、高さ約1.5m、幅76cmで、これなら何とか普通のマンションでも収まる大きさであり、このスピーカーを所有することが俄然現実味を帯びてくる。

 このスピーカーは一号機同様オールリボンの3way、すなわち低音、中音、高音それぞれを受け持つユニットが、すべて樹脂に貼り付けたアルミニウムのリボンで出来ているというもので、ちょっと実物を見ないとその構造は普通の丸いコーン型スピーカーのイメージからは想像がつきにくい。

(写真左:本体、写真右:背面のロゴ)





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