年末は第9!オーディオ的な第9 の聴きどころを徹底ガイドします
いよいよ今年も押し詰まってきた。
毎年年末になると日本の各地でベートーヴェンの第9が演奏される。
おそらく100回以上は演奏されると思われるが、以前も書いたように欧米にはこれ程の習慣はないので、これは日本独自のものであろう。どうして日本にはこんな習慣が出来たのだろう?
第9の日本初演は、2006年の映画「バルトの楽園(がくえん)」で描かれたように、徳島県のドイツ人捕虜収容所で第一次大戦で捕虜になったドイツ人によって1918年6月に行われている。年末に演奏されたのは第二次大戦前にも記録があるが、定着したのは1960年代からで、第9が年末にふさわしいベートーヴェン最後の大交響曲であることや、歓喜の歌によって多くの人に親しまれており、なおかつ合唱に市民の参加も可能な曲であることなど、いろいろな理由が挙げられている。
この習慣のおかげで、演奏するオーケストラにとって第9は年末ボーナスの源にもなり、現代においてもベートーヴェンはまさに民衆のための偉大な作曲家であり続けているが、実は今年の第9はこれまでにない盛り上がりを見せているのである。
その一つは、以前に書いたこの曲の歴史的名演といわれるフルトヴェングラー指揮バイロイト祝祭管弦楽団の演奏(上 写真)に、これまでのEMI盤とは違うバイエルン放送による無編集録音テープが見つかったことであり、もう一つはカラヤン指揮ベルリン・フィルの第9の演奏のガラスCDが発売されたことであろう。
フルトヴェングラーの演奏が歴史的名盤である理由、あるいは新しい録音テープの発見や内容の分析については、以前書いたレコード芸術誌や現在発売中の音楽現代12月号(写真)に詳しいので繰り返さないが、最近のニュースとしては、フルトヴェングラー・センターに入会しないと入手できなかったこのバイエルン放送の演奏を収めたCDが12月下旬に1890円という廉価で一般に発売されることである。一方、カラヤン ベルリン・フィルの第9の最初の録音をアナログ・マスターテープまで遡りデジタルマスターを作製したという話題のガラスCD(写真:カタログより)は、20万円ということもあって簡単に聴けるしろものではないが、最近、ディスクユニオン新宿クラシック館で世界初!の試聴会が行われたとの情報がある。聴かれた方はぜひ感想をお寄せ下さい。









