野分のまたの日のバラ
台風13号は中国大陸に上陸して、そのまま消えるかと思ったら、なんと直前で90度方向を変えて進み、日本をかすめ、大量の雨と風をもたらして、東の海上に去っていった。久々の台風で緊張したが、東京は夜明け前に雨脚が強くなった程度で、たいした影響はなかったようだ。
台風が来るというと、家の大人が忙しそうに、雨戸に木を打ち付けたり、ロウソクを用意したりして、何か起こりそうな期待に胸がときめいたというようなことを誰かが書いていた。向田邦子だったかな? 探したのだけれど、オリジナルが確認できなくて残念。とにかく、もう台風の来る季節になったということだ。野分のまたの日こそ、いみじうあはれにをかしけれ。 立蔀(たてじとみ)、 透垣(すいがい) などのみだれたるに、 前栽(ぜんさい) どもいと心くるしげなり。 枕草子191段
清少納言は、台風一過の荒れた庭を、とても風情があって面白いとしている。草が倒れ、木の葉が乱れ散った庭の上に、青い空が広がっているのは、たしかに一種の感慨がある。秋の風情であることには間違いない。ただ、9月の下旬に庭が強い風に吹かれるとなると、バラ好きには心穏かではいられない。まして、ウチの庭のような、鉢植えだらけの上に、密生して、シュートを伸ばしっぱなしのつるバラなどがあると、大風はけっこうなダメージをもたらす。この際、鉢はできる限り倒れないところに避難。誘引できるところはしっかり留めて、支柱も増やしたりする。
特に、枝と枝が重なり合っていると、思いの外、トゲが周りを傷つける。蕾に刺さったりすると、秋の花が台無しになる。絡み合った枝をはずそうとしたら、大きな蕾が嘘のように、スパッとクビから落とされたことがあった。バラのトゲの破壊力を侮ってはいけない。今回の台風は、まだ蕾が付いていない時でよかった。今朝、庭を見回ったが、幸い被害はなかった。先々週に剪定したところからは、順調に新しい芽が伸びている。バラは、そんな訳でまったく花がない状態で、寂しい状態だが、ホトトギスが咲いているのを見つけた。これがまたけっこう可愛い。





