趣味

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2008/06/22

白いユリ、青いバラの孤独

サントリーが青いバラの開発に成功したと発表したのが2004年。その後、厚生労働省の遺伝子組み換え製品の認可まで取得して、2009年には発売の予定だという。この「男の隠れ家ON LINE」でも、他の方がコラムに書いていた。

この青いバラに対するバラ好きたちの反応は複雑だ。たしかに、これまでバラの世界では、青いバラの登場が待たれていた。かれこれ200年はその作出にたいへんな情熱が傾けられていた。そして、それが「不可能」の代名詞となり、科学的にも、バラには青い色素が存在しないので、いくら交配しても不可能であることが検証されるに至った。ところが今回それができてしまい、本来は、嬉しいはずなのに、どことなく不可解な気分が拭えないでいる。

問題は、遺伝子組み換えという手法にある。おそら違和感には「クローン羊のドーリーちゃん」が発表された時と同じものがあるのではないか。遺伝子組み換えは、すでに植物の病気への抵抗力や「除草剤を撒いても枯れない」という能力を植えつけたりして、食物の開発にまで使われ始めている。まして、食べ物でないバラの色の発色に、その技術が使われてもまったく問題はないはずだ。

おそらく、ヒマラヤの青いケシのような色の花であれば、どんな種類の花でも美しいと認められる余地はある。サントリーの試算する世界のバラ市場は、年間2600億円で、もし青いバラができれば、その20%である500臆円の売り上げが見込めるという。(青いバラ 最相葉月 新潮文庫)この金額の妥当性はともかく、実際に青いバラが出回るようになれば、何年か後には、普通の青いバラになっている可能性はある。

ただ、それをすんなりと受け入れられないのは、やはり過去200年へのノスタルジーだ。実際に、不可能でありながら、青いバラは、かなりいい線まできていたのである。バラ好きには、この努力の跡を実際のバラで知っていればこそ、本当に見果てぬ夢であるならば、そのままにしておいて欲しかったという感傷が残るのである。

「ブルー・パフューム」、「ブルー・ムーン」、「わたらせ」、「ラプソディー・イン・ブルー」と、わが家の庭でもかつての青いバラは咲いた。その価値は、さらに青いバラができても、けして損なわれるものではない。

そこに健気なヒメクチナシがポツリと花をつけた。夏の花は白い花が多いようだ。

(写真は、最初のサントリーの青バラに続いて既存のブルー系のバラ5種)





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