庭も優秀な脇役を必要とする
緑が濃くなっている。本来、植物を愛でるということは、この緑を楽しむことである。花は一時の享楽に過ぎない。その喜びのために、一年のほとんどを、葉と共に時を費やしている。この緑の葉に、美しさを見出せるかどうかに、ガーデニングの真骨頂がある。
花期も終わり、花殻の整理も一段落した。散った花びらが葉の上にあるのをそのままにしておくと、そこから腐ってしまうことがある。花の終わったバラの株は、疲れ果てて、寂しげに見える。お礼肥、つまり、花を咲かせてくれてありがとうの肥料を、一通り与えておく。花がなくなると、育てる方も一仕事を終えたような気がする。バラは、次の花の準備でしばらく休んでいる。特に毎日の大きな変化はない。庭に出なくなり、ともすれば、バラの存在すら忘れがちになる。ところが、虫の動きは活発化し、本格的な病気、黒星病が出やすくなる。実は、ここからが本来の仕事なのだ。
葉は、植物の中でも、根とともに重要な働きをする器官だ。太陽の光を取り込んで、光合成により、二酸化炭素と水からブドウ糖とデンプン、つまり自分自身を育てる栄養を作
っているのだ。だから、葉を失った植物は、育つことができない。春先から悩まされているウドンコ病は、見た目は悲惨な状態になるが、進行が遅く、薬害さえ気にしなければ、薬剤で抑えることもできる。さらに、夏に暑くなると自然に発生が止まる。ところが、黒星病はそうは行かない。恐ろしいのは、その伝染力だ。発生時に対処を怠ると、あっという間に庭中のバラに取り付いて葉を黄変させ、バラバラと落とす。それだけですぐに枯れて、死んでしまうわけではないが、葉を失うダメージは大きく、次のシーズンまでにはなかなか立ち直れない。さらに、葉と一緒に地面に落ちた菌が生き残るために、再発は必至だ。
だから、黒星病は、発生させないこと。防除が重要な課題になる。幸いにも、ウドンコ病の発生にはイマイチの木酢液が、黒星病には効果がある。といっても、発生を抑えるだけで、出てしまったら、それを治癒することはできないので、サプロールなどの薬剤を使用せざるをえない。さらに、ダコニールも防除には有効なので、月に一回散布する。ただ、暑い時期には、薬害が出やすい。








