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2008/06/10

ルドゥーテのバラを見に行く

ルドゥーテの作品の芸術としての側面については、本も出ていることだし、ここでは触れない。興味深かったのは描かれていたバラそのものである。ルドゥーテの170点の絵のうちで、わが家の庭で咲いているものが何点かあった。

まずは、以前このコラムでも紹介しているが、オールド・ブラッシュ、古くは、パーソンズ・ピンク・チャイナという中国バラだ。これは、1789年にイギリスに持ち込まれたとされているが、しっかりジョセフィーヌのコレクションに加わっていたことになる。ルドゥーテの絵と、実際に咲いたところの写真を比べてみると、みごとにその個性が写し取られていることがわかる。細い枝のしなりや、花の付き方、花弁の色の濃淡などポイントとなるところが忠実に押さえられていて、まさにこのバラである。ただ、面白いのは、学名が「ロサ・インディカ・ウルガーリス」とインドのバラとなっている。これは、当時のこういった東洋の植物が、すべて東インド会社を経由して入ってきたからだそうだ。

もうひとつ面白かったのは、「ロサ・ケンティフォーリア」の類。これは今でも、ジュノーや、ファンタン-ラトゥールといったバラが売られているが、千の花びらを持つといわれ、まさにジョセフィーヌの時代に最も愛されたバラたちである。ところが、ルドゥーテの作品を見ていると、むしろ、現代のイングリッシュ・ローズの花形に近い。つまり、イングリッシュ・ローズの祖、デビッド・オースチンが再現しようとしていたのは、この種のバラであり、また一方で、ルドゥーテの描いた時代のバラの血が、まだ脈々と続いていることがわかった。我が家のイングリッシュ・ローズと比べると、色は違うが、花弁の開き方がとてもよく似ている。

会場には、ルドゥーテのほか、二人の植物画家の作品と写真、それと、芳香を出す器具が三台置かれていて、ダマスク・クラシック、スパイシーなどバラの香りを会場にただよわせていた。あと、売店では、かなりの数のルドゥーテ・グッズに、おばさんの購買パワーが。でも、この展覧会の図録は、ルドゥーテの画集がとても高いので、お買い得だと思う。

Bunkamuraで、バラの絵の展覧会を見て、その後は「ドゥ・マーゴ」のテラスで、バラに囲まれながら、ローズ・ヒップのお茶とサンドウィッチなど……といかないのが、わが家のいいところで、「そんなものを飲むくらいなら、ビールの方がいい」と、他のところへ行ってしまった。結局は、庭で作業した時とほとんど変わらない。まぁ、絵でも現物でも、バラは、バラですから。





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