趣味

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2008/03/30

絵を描くようにつるバラ

さらに葉が出て広がっている。葉が出ただけでこれだけ嬉しいのだから、蕾なんか付こうものならどれくらいウキウキするのだろう。考えてみれば、毎年のことなのだけれど、庭もバラも、そして自分自身もけして同じではない。昨年よりもバラは一年分だけ育っているのだ。今年はどれだけ咲かせることができるだろうか。

くれなゐの二尺伸びたる薔薇の芽の針やはらかに春雨の降る
 
正岡子規の短歌の中でも、特に美しい歌だと思う。子規のいう写生であり、さりげなく下の句の「針」と「春雨」が「ハ」の音で韻を踏んでいるのがいい。

ただ、最近気がついたのだが、この歌を知ってからずっと、紅い芽が二尺も伸びていると理解していた。ところが、春雨のこの時期に、シュートが二尺伸びることが本当にあるのだろうか。また、二尺、つまり60センチ以上も伸びてしまえば、それは茎か枝であって、しかも、紅ではなくなっているはずだ。だから、「くれなゐ」は、「芽」だけに掛かっているのだろう。つまり、二尺伸びたバラがあって、その芽が紅いのだ。と、考えつつ庭を見てみたら、けっこう長く赤い芽が伸びていたりするので、よくわからなくなってしまった。4月中に60センチまでいくのだろうか?

わが家の庭で一番古いバラはつるバラの「カクテル」。息子が生まれた年に記念に植えたので、もう26年になる。一時は、家の南側の半面をカバーしていた。しかし、転勤の関係で通算11年ばかり断続的に家を空けることになり、その間は転勤者住宅として他人に貸し出されていた。小さなバラは、掘り起こして知人にあげたり、実家に移したりしたのだが、つるバラだけはどうしようもなく、そのまま置き去りになった。こうなるとバラはとても始末に悪い。家を借りてくれた人も、借家の庭の面倒まではなかなか見てくれない。最後に戻った時には、カイガラムシだらけの古木になっていた。しかたなく残った枝を誘引し、毎年古い枝を新しい枝に更新してきたところ、ようやく4年目にして若返った。「カクテル」は、あまり匂いがないことになっているが、花をいっせいに付けると、香るどころかむせ返るような濃い匂いがする。今年も、かなりいいシュートが何本も伸びてくれたので開花が楽しみとなっている。

これまで話をしてきたイングリッシュ・ローズやハイブリッド・ティーは、ブッシュという立体として、あるいは個体の花として扱えばいいのに対し、つるバラは、面を考えなければならない。つまり、大きなキャンバスを立てて、どのように構成し、どの色のバラで埋めていくかという発想になる。





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