イングリッシュ・ローズの話をもう少し
2月も残りわずかとなった。夜が明けるのが確実に早くなっている。植物が春を感じて目覚めるのは、暖かさの訪れではなくて、夜と昼の長さの違いだそうだ。夜が短くなることで、植物たちは冬の終わりを感じている。
バラを通販で買うことをオススメしたので、実際にどうなるかと念のためあちこちのサイトに行ってみたところ、手ぶらで帰れず、ウチの奥さんにはナイショだが、また5鉢ほど増えてしまった。配送は3月とのこと。「残りわずか」などと書かれると弱い。しかし、いったいどこで、どうやって、ごまかすか。「今年はもうこれ以上買いません」と宣言させられているのだ。苗なので、他の鉢と混ぜてしまうとわからないのだけれど、咲くと「こんなバラいつ買ったの?」と、だいたいバレる。夫婦で趣味が近いのも善し悪しだ。しかもこの趣味、金額的にはたいしたことないのだが、場所を取るのがつらい。ウチの奥さんも女性として、バラの花を贈られて不幸ということはないはずなのに、ここまで増えてしまうと、素直に喜んではもらえない。という訳で、まずは、一鉢のバラを大切に育てて欲しい。前回、イングリッシュ・ローズの「シャリファ・アスマ」の話を書いたが、あの話にはまだ続きがある。
名前の面白さに興味を持ったところで、その日は、買うことに躊躇してしまった。なにしろ、自分でバラを育てるというのは初めてのことであったし、イングリッシュ・ローズのなんたるかも
まったく知らなかった。今だったら、まとめて大人買いなんてことも平気でしてしまうのだが、この時は「よく調べてからにしよう」と慎重な性格が先に立った。そして、イングリッシュ・ローズという本を見つけてまるまる一冊読み、やはり自分の選択は間違っていなかったと納得すると、その次の週末、急いでガーデンセンターに行った。頭の中は、「喘息もちのアラブの王様」で一杯である。ところが、こういう時は往々にしてそうなのだが、売り場に行ってみると「シャリファ・アスマ」がない。店員さんに訊くと「売れてしまいました」という返事。「また入りますか」というと「さぁ、今年はどうでしょう」と実に素っ気ない。そこで、私はそのあと30分も迷い、結局残っていた「ヘリテージ」を買って帰ったのだが、それではやはり、開いてしまった穴はふさがらなかった。しばらくまた悶々としたあげく、インターネットの通販で買えることを知り、見つけた時には、なまじイングリッシュ・ローズの本を読んでいたことが災いした。5種類いっぺんに買うことに、もう迷うことはなかった。その後もイングリッシュ・ローズは増え続け、今ではちょうど20種類。わが家の狭い庭では地植えも限界で、鉢植えも置くところに困るようになったので、ようやく増殖が止まっている。





