趣味

2008/06/22

天体観測をしよう(5)皆既日食を見よう!

 実は月が太陽をすっぽりと覆って美しいコロナが見られるこの皆既日食は、宇宙広しと言えどもおそらく地球にいる我々にしか見ることのできない奇跡、天の配慮としか言いようの無い現象であることをご存知でしょうか。

 我々から見た月と太陽の大きさが天空上で同じであること、これは美しい皆既日食が起こる必須要件ですが、なぜこうなるのかというと、月の大きさが太陽の4百分の1であるのと同時に、月の位置が地球から見て偶然にも地球から太陽の距離の4百分の1にあるからなのです!

 4百倍大きいものを4百倍遠いところに見ているので、あたかも我々にはぴったり同じ大きさに見えるわけで、この4百という数字も含めて、まるで誰かが我々に美しい天文ショーを見せるために、月、地球、太陽を配したかのような最高に驚くべき偶然が、この皆既日食という神秘な現象を生み出しているのです。

 実際、この見かけの大きさは若干変化するので、日食は皆既食になったり金環食(写真左)になったりしますが、いずれにしても月の表面のでこぼこが数珠のような光を作ったり、太陽が隠れる前にダイヤモンドリング(写真右)が見えたりと、日食は実に美しく印象的なものです。

 実は皆既日食にまつわる偶然はこれだけではありません。

 我々はこの皆既日食を利用することで、この現象がなければ発見できないような様々な事実を見出してきました。
 もちろんコロナも含めた太陽に関する多くの研究もそうですが、最も有名なのはこの皆既日食を利用して1919年にアインシュタインの一般相対性理論が実証されたことでしょう。

 皆既日食では太陽の周囲が暗くなるので、回りの星が見えるようになります。

 星の光によってこの星の位置を調べると、実は本当の位置と少しずれていることがわかりました。
 これは太陽の巨大な重力場で星の光が屈折して、あたかも違う位置に星がいるように見えるためと説明されます。
 このずれはニュートンの古典的力学では説明できない程大きいもので、一般相対性理論の重力レンズ効果を見事に説明することになりました。

 実はサロス周期と呼ばれる時間単位を利用して紀元前から日食は予測されていたと言われていますが、やはり実際に皆既日食を見ると、宇宙の偶然の不思議と神秘を感じずにはいられないと言います。
 
 オーロラと同様、地上から見える最大級の天文現象で、一度は見たいと誰もが願ってやまないものです。





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