「このオペラを見よう!第1回 チューリヒ歌劇場来日公演『椿姫』」
さあ、今週からいよいよ実践編に入ろう。今秋注目のオペラの数々を順番に紹介して行こうと思うので、ぜひオペラ鑑賞の手引きにして欲しい。
やはり第1回は古今東西のオペラの中でももっともポピュラーで素晴らしい、ヴェルディのオペラ「椿姫」しかないであろう。ヴェルディの数多くの傑作の中でも「リゴレット」「トロヴァトーレ」とともに中期傑作3部作と言われ、一際人気が高い。しかも女性の観客は主人公のヴィオレッタへ感情移入し、2幕の途中や3幕フィナーレでは、会場のあちらこちらですすり泣く声が聞こえてくる。
ストーリーはどんな入門編のオペラの解説本にも出ているであろうが、簡単に触れておくことにしよう。もちろん当日は字幕スーパーが出るので心配は要らないが、押さえるべきところは押さえておかないと。
悲劇の主人公ヴィオレッタ(ソプラノ)は、パリの高級娼婦。南仏の田舎から出てきた純粋な青年アルフレード(テノール)に求愛され、社交界から身をひき、パリ郊外の田舎でひっそりと幸せに暮らすことにした。
しかし、突然アルフレードの留守中に現れた婚約者の父ジェルモン(バリトン)から息子との別れを強要される。やがてジェルモンのヴィオレッタに対する誤解は解けるが、その後は別れを懇願され、遂に別れを決心させられる。何も知らないアルフレードはヴィオレッタの置き手紙を見て、裏切られたと逆上し、ジェルモンを振り切って彼女を追ってパリへ向かう。
ヴィオレッタの友人フローラのパーティーへ単身乗り込んだアルフレードは、ヴィオレッタのパートナー、ドゥフォール男爵に賭けを挑み、トランプで大勝ちしただけでは飽き足らず、その金を衆人の目前でヴィオレッタに叩きつけ、ヴィオレッタは昏倒してしまう。
それから1ヵ月後の謝肉祭の日。ヴィオレッタは肺結核に倒れ、財産も使い果たしてパリの屋根裏のアパートで死を目前にしている。そこへ、ドゥフォール男爵を決闘で傷つけ、海外に逃亡していたアルフレードが駆けつけ、2人はすべてを知り、お互いの誤解を解き固く抱き合う。さらにジェルモンと医師も駆けつけるが、すでに時遅く、ヴィオレッタは皆に看取られて息絶えてしまう。
1幕冒頭の「乾杯の2重唱」のシーン
さて見どころや聞きどころも満載だが、幾つかをピックアップしよう。1幕パーティーで歌われるヴィオレッタとアルフレードの2重唱「乾杯の歌」。誰もが知っている2重唱であろう。続いてヴィオレッタのシェーナとアリア「ああ、そはかの人か〜花から花へ」へ。特に後半の花から花へは、華やかなコロラトゥーラ(速いパッセージやトリルなどを転がすように歌うテクニック)の超絶技巧の技術が必要とされ、しかも10分くらいの長い難曲を歌った後、最後は超高音のEs“エス”(三点変ホ)の音へ上げて伸ばすのが慣例となっている。《休憩に、ヴィオレッタは凄いコロラトゥーラだったね、とか、最後はやっぱり“エス”に上げたね、と言うのが正しい使い方》
2幕1場冒頭はアルフレードの愛の喜びを歌い上げるアリア「燃える心を」。そして、ジェルモンとヴィオレッタの長い2重唱。父親が息子の恋人に対して別れて欲しいと懇願する、何とも救われない2重唱だが、美しい旋律が満載で、緊張感たっぷり。そして、ヴィオレッタが泣く泣く別れの手紙を書いているとそこに突然アルフレードが現れ、あわてて手紙を隠し「アルフレード愛してね、私があなたを愛しているのと同じくらい愛してね!」の絶唱は、涙を誘わずにはいられない。《ハンカチをそっと差し出そう!》その後のジェルモンのアリア「プロヴァンスの海と陸」は、数あるバリトンのアリアの中でも名旋律のアリアとして知られ、バリトンが朗々と美声を響かせる。
3幕のヴィオレッタのアリア「さようなら、過ぎし日よ」は彼女の死を予感させ、ひたすらに哀しい名アリア。アルフレードが駆けつけた後にヴィオレッタと歌われる愛の2重唱「パリを離れて」も美しい旋律で切なく哀しい気持ちになる。
2幕2場の札束を投げつけられたヴィオレッタ
ストーリーはどんな入門編のオペラの解説本にも出ているであろうが、簡単に触れておくことにしよう。もちろん当日は字幕スーパーが出るので心配は要らないが、押さえるべきところは押さえておかないと。
悲劇の主人公ヴィオレッタ(ソプラノ)は、パリの高級娼婦。南仏の田舎から出てきた純粋な青年アルフレード(テノール)に求愛され、社交界から身をひき、パリ郊外の田舎でひっそりと幸せに暮らすことにした。
しかし、突然アルフレードの留守中に現れた婚約者の父ジェルモン(バリトン)から息子との別れを強要される。やがてジェルモンのヴィオレッタに対する誤解は解けるが、その後は別れを懇願され、遂に別れを決心させられる。何も知らないアルフレードはヴィオレッタの置き手紙を見て、裏切られたと逆上し、ジェルモンを振り切って彼女を追ってパリへ向かう。
ヴィオレッタの友人フローラのパーティーへ単身乗り込んだアルフレードは、ヴィオレッタのパートナー、ドゥフォール男爵に賭けを挑み、トランプで大勝ちしただけでは飽き足らず、その金を衆人の目前でヴィオレッタに叩きつけ、ヴィオレッタは昏倒してしまう。
それから1ヵ月後の謝肉祭の日。ヴィオレッタは肺結核に倒れ、財産も使い果たしてパリの屋根裏のアパートで死を目前にしている。そこへ、ドゥフォール男爵を決闘で傷つけ、海外に逃亡していたアルフレードが駆けつけ、2人はすべてを知り、お互いの誤解を解き固く抱き合う。さらにジェルモンと医師も駆けつけるが、すでに時遅く、ヴィオレッタは皆に看取られて息絶えてしまう。
1幕冒頭の「乾杯の2重唱」のシーンさて見どころや聞きどころも満載だが、幾つかをピックアップしよう。1幕パーティーで歌われるヴィオレッタとアルフレードの2重唱「乾杯の歌」。誰もが知っている2重唱であろう。続いてヴィオレッタのシェーナとアリア「ああ、そはかの人か〜花から花へ」へ。特に後半の花から花へは、華やかなコロラトゥーラ(速いパッセージやトリルなどを転がすように歌うテクニック)の超絶技巧の技術が必要とされ、しかも10分くらいの長い難曲を歌った後、最後は超高音のEs“エス”(三点変ホ)の音へ上げて伸ばすのが慣例となっている。《休憩に、ヴィオレッタは凄いコロラトゥーラだったね、とか、最後はやっぱり“エス”に上げたね、と言うのが正しい使い方》
2幕1場冒頭はアルフレードの愛の喜びを歌い上げるアリア「燃える心を」。そして、ジェルモンとヴィオレッタの長い2重唱。父親が息子の恋人に対して別れて欲しいと懇願する、何とも救われない2重唱だが、美しい旋律が満載で、緊張感たっぷり。そして、ヴィオレッタが泣く泣く別れの手紙を書いているとそこに突然アルフレードが現れ、あわてて手紙を隠し「アルフレード愛してね、私があなたを愛しているのと同じくらい愛してね!」の絶唱は、涙を誘わずにはいられない。《ハンカチをそっと差し出そう!》その後のジェルモンのアリア「プロヴァンスの海と陸」は、数あるバリトンのアリアの中でも名旋律のアリアとして知られ、バリトンが朗々と美声を響かせる。
3幕のヴィオレッタのアリア「さようなら、過ぎし日よ」は彼女の死を予感させ、ひたすらに哀しい名アリア。アルフレードが駆けつけた後にヴィオレッタと歌われる愛の2重唱「パリを離れて」も美しい旋律で切なく哀しい気持ちになる。
2幕2場の札束を投げつけられたヴィオレッタ




