野外オペラのすすめ 第3回 今年のヴェローナ野外音楽祭
野外オペラのすすめ・最終回は、ヴェローナから最新情報をお届けしよう。
8月14日にヴェローナに入り、15日「カルメン」、16日「ナブッコ」と2演目を見たが、その模様を。
その前に、まずは簡単にヴェローナの概略から。この町は北イタリアの中でも特に交通の要衝にあり、紀元前から栄えてきた。すなわち東西はヴェネツィアとミラノ、南北はローマ、フィレンツェとオーストリアの中間に位置し、数多くの民族、王国からの支配を受けた。中世にはローマ教皇派と皇帝派の争いに巻き込まれ、町を2分して憎しみ合った。この模様を描いたのがシェークスピアの傑作「ロメオとジュリエット」である。
以降、スカラ家、ヴィスコンティ家、カッラーラ家などに支配されたが、15世紀からはヴェネツィア共和国の支配下に入った。ちなみにオペラの殿堂、ミラノのスカラ座は、ミラノのヴィスコンティ家に嫁いだスカラ家(スカリジェリ家)のお姫様の名前から取られている。
現在のヴェローナは町の真ん中をイタリアで2番目に大きなアディジェ川が流れ、中世の町並みがそのまま残る美しい古都となっている。そして、その町並みは2000年に世界遺産に指定された。
しかし、ヴェローナのシンボルは何といっても町の中心ブラ広場にあるアレーナ・ディ・ヴェローナと呼ばれる古代ローマ時代の円形競技場である。そこで毎年繰り広げられる世界最大の野外オペラには世界中からファンが押し寄せる。(本ブログの第13回「ヨーロッパ夏の音楽祭第2回イタリア編」(2007年8月3日)も参照のこと)
それにしてもやはりヴェローナは暑い!ジリジリと刺すような直射日光はヴェローナ独特のような気がする。15日の日中はいつものようなピーカンだったが、夕方くらいから黒く厚い雲が出始め、気温は急激に下がり、強い風も吹き始めて嵐の前兆を感じさせた。
言うまでもなく野外オペラは野球などの屋外スポーツのように天候に左右される。特に野外オペラの場合には、小雨だったらやってしまおう、という訳にはいかない。なぜなら楽器があるからだ。特にヴァイオリンなどの弦楽器は濡れてしまったらすぐに楽器がダメになってしまうので、“ポツリ”とでも来た日には、指揮者や歌手を置き去りにして弦楽器の連中が真っ先に避難するのである。
さて雨が降ってしまった場合にはどうなるのか?ヴェローナの場合にはまずは中断する。そして雲の流れなどを見ながら判断するのだが、最低でも1時間以上は待つようだ。その間観客は、円形競技場をぐるりと取り囲むスタンド席の下にかなり大きなスペースがあるので、そこへ避難する。2度も3度も中断して、終演は夜中の2時、3時ということも珍しくない。
雨が降って中止になってしまった場合にチケット代はどうなるのか?ヴェローナの場合には、1幕が最後まで終了していなければ全額払い戻される。しかし、いったん1幕を終了してしまった場合には、そのオペラが何幕まであろうが、1円たりとも払い戻されない。当然のことながら劇場側は何とかして1幕だけは終わらせようと必死に努力するのである。笑い話のような話だが、数年前にロッシーニの「セヴィリアの理髪師」を上演した際、最初から雲行きが怪しかったのだが、1幕フィナーレではロッシーニ・クレッシェンドが途方もないアッチェルランド(だんだん速く)を伴い、超スピードのまま終わってしまったこともあった。
しかし、この時期のヴェローナは雨が少なく、たとえ降ったとしても一時的な通り雨のことが多く、多少の中断を入れれば最後まで上演出来ることがほとんど。例年、2ヶ月半の音楽祭開催期間中、途中で中止になってしまうのは2度か3度というのが普通である。
その前に、まずは簡単にヴェローナの概略から。この町は北イタリアの中でも特に交通の要衝にあり、紀元前から栄えてきた。すなわち東西はヴェネツィアとミラノ、南北はローマ、フィレンツェとオーストリアの中間に位置し、数多くの民族、王国からの支配を受けた。中世にはローマ教皇派と皇帝派の争いに巻き込まれ、町を2分して憎しみ合った。この模様を描いたのがシェークスピアの傑作「ロメオとジュリエット」である。
以降、スカラ家、ヴィスコンティ家、カッラーラ家などに支配されたが、15世紀からはヴェネツィア共和国の支配下に入った。ちなみにオペラの殿堂、ミラノのスカラ座は、ミラノのヴィスコンティ家に嫁いだスカラ家(スカリジェリ家)のお姫様の名前から取られている。
現在のヴェローナは町の真ん中をイタリアで2番目に大きなアディジェ川が流れ、中世の町並みがそのまま残る美しい古都となっている。そして、その町並みは2000年に世界遺産に指定された。
しかし、ヴェローナのシンボルは何といっても町の中心ブラ広場にあるアレーナ・ディ・ヴェローナと呼ばれる古代ローマ時代の円形競技場である。そこで毎年繰り広げられる世界最大の野外オペラには世界中からファンが押し寄せる。(本ブログの第13回「ヨーロッパ夏の音楽祭第2回イタリア編」(2007年8月3日)も参照のこと)
それにしてもやはりヴェローナは暑い!ジリジリと刺すような直射日光はヴェローナ独特のような気がする。15日の日中はいつものようなピーカンだったが、夕方くらいから黒く厚い雲が出始め、気温は急激に下がり、強い風も吹き始めて嵐の前兆を感じさせた。
言うまでもなく野外オペラは野球などの屋外スポーツのように天候に左右される。特に野外オペラの場合には、小雨だったらやってしまおう、という訳にはいかない。なぜなら楽器があるからだ。特にヴァイオリンなどの弦楽器は濡れてしまったらすぐに楽器がダメになってしまうので、“ポツリ”とでも来た日には、指揮者や歌手を置き去りにして弦楽器の連中が真っ先に避難するのである。
さて雨が降ってしまった場合にはどうなるのか?ヴェローナの場合にはまずは中断する。そして雲の流れなどを見ながら判断するのだが、最低でも1時間以上は待つようだ。その間観客は、円形競技場をぐるりと取り囲むスタンド席の下にかなり大きなスペースがあるので、そこへ避難する。2度も3度も中断して、終演は夜中の2時、3時ということも珍しくない。
雨が降って中止になってしまった場合にチケット代はどうなるのか?ヴェローナの場合には、1幕が最後まで終了していなければ全額払い戻される。しかし、いったん1幕を終了してしまった場合には、そのオペラが何幕まであろうが、1円たりとも払い戻されない。当然のことながら劇場側は何とかして1幕だけは終わらせようと必死に努力するのである。笑い話のような話だが、数年前にロッシーニの「セヴィリアの理髪師」を上演した際、最初から雲行きが怪しかったのだが、1幕フィナーレではロッシーニ・クレッシェンドが途方もないアッチェルランド(だんだん速く)を伴い、超スピードのまま終わってしまったこともあった。
しかし、この時期のヴェローナは雨が少なく、たとえ降ったとしても一時的な通り雨のことが多く、多少の中断を入れれば最後まで上演出来ることがほとんど。例年、2ヶ月半の音楽祭開催期間中、途中で中止になってしまうのは2度か3度というのが普通である。
アレーナ・ディ・ヴェローナ外観
アレーナの廻りにはこのように無造作に巨大なセットが置かれている。
このセットはヴェルディの「アイーダ」のもの
このセットはヴェルディの「アイーダ」のもの





