本・エンタメ

2008/06/05

パレルモ・マッシモ劇場

 さて、前置きが長くなったが、マッシモ劇場のことを。マッシモというのはグランデ(大きい)の最大級で、「最大の」という意味。歴史は比較的新しく、19世紀末の1897年、1893年にスカラ座で初演されたばかりのヴェルディの「ファルスタッフ」で開場した。すぐにナポリ出身の20世紀最高の名テノール、エンリコ・カルーソーがポンキエッリの「ジョコンダ」でデビューするなど、無名の新人を登用するという歴史は開場当時からの伝統である。

 1974年に老朽化のためクローズされ、改修工事が始まったが、そこはイタリア、しかもシチリアということで遅々として進まず、開場100周年の1997年にも間に合わなかった。ちなみに映画「ゴッドファーザーPart3」は1990年の作品なので、修復中に撮影した。ステージの「カヴァレリア・ルスティカーナ」のシーンは別の劇場で撮ったものらしいが、こんなことをしているから工事も進まないのであろう。そして1998年4月22日、24年にも及ぶ工事の末、ヴェルディの「アイーダ」で再開場したが、至る所が工事中のまま無理やり開場したという状態だった。しかも、パヴァロッティがラダメスをやるということで大きな話題となっていたのに、土壇場でホセ・クーラに変更になったのである。そして実質的なオープンは翌シーズンからとなった。

 しかし、さすがにこれだけ時間をかけだけのことはあって、現在の劇場は素晴らしい空間である。まず、入口手前の左右にはライオンの銅像が鎮座し、そこから階段を上がったところにギリシャ神殿コリントス式の大石柱(サゴーマ)が建ち並び、荘厳な雰囲気で聴衆を迎える。一歩中に入ればそこは近代的で美しいオープンスペースが広がる。劇場は馬蹄形でプラテアの廻りに5層のパルコ、その上に1層のガレリアという造りで音響も良い。ワインレッドの座席に壁や天井のフレスコ画はすべて金箔という豪華なもので、内部はたいへんな美しさとなっている。イタリアで5番目に大きな劇場と言われているが、座席数は1316席しかなく、とてもゆったりとした贅沢な空間となっている。


劇場正面の階段、石柱とライオンの銅像



客席


見事な天井のフレスコ画


プラテア最後部よりステージを望む





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