本・エンタメ

2008/02/22

モーツァルトとオペラ 第5回

今週は、ダ・ポンテ3部作の最後の作品「コジ・ファン・トゥッテ」を。アンサンブルオペラも傑作である。

設定は18世紀末のナポリ。つまりモーツァルトが作曲したその当時ということである。「コジ・ファン・トゥッテ」というのは“女はみんなこうしたもの”という意味で、女性はみな貞操観念が薄く尻軽でだらしない生き物である、というタイトルである。ストーリーは、姉妹のそれぞれの恋人である2人の男が、恋人の貞節を確認するために相手を交換して、口説いていたら姉妹は2人ともあっさり心変わりしてしまうという荒唐無稽なもの。ナンセンスのストーリーが非道徳であるとベートーヴェン、ワグナー、ホフマンスタールらはこの作品を酷評した。しかし今日では、モーツァルトの鋭い人間観察能力や美しい音楽が見直され、モーツァルトの代表作と1つとして世界中で公演が行われている。

 台本と楽譜は1789年の9月から4ヶ月かけて作られた。初演は1790年1月26日ブルク劇場で、モーツァルトがレチタティーヴォのためにクラヴィーアを弾きながら指揮をした。しかし、2月20日に神聖ローマ皇帝でハプスブルク家のヨーゼフ2世が死去してしまったため10回の公演で打ち切られ、以降は再演されることもなく、長く忘れられた作品になってしまった。このダ・ポンテの台本は「フィガロの結婚」「ドン・ジョヴァンニ」が有名な戯曲や台本に基づいていたのに対し、ダ・ポンテが自らストーリーを作ったものである。

さて、このオペラのタイトル「コジ・ファン・トゥッテ」は、ヨーゼフ2世が「フィガロの結婚」の一節の言葉からオペラを作るように指示したと言われている。具体的には、1幕の伯爵とスザンナとバジーリオの楽しく軽快な3重唱の中で、音楽教師バジーリオが歌う「コジ・ファン・トゥッテ・レ・ベッレ」、“美しい女はみんなこうしたもの”というフレーズである。しかし残念ながらヨーゼフ2世は初演の頃には死の床に臥せてしまっていて、このオペラを見ることは出来なかった。


ザルツブルク旧市街の目抜き通りゲトライデガッセ
右にオーストリア国旗が翻っている家がモーツァルトの生家


ザルツブルク新市街にあるモーツァルト幼少時代の家
今は博物館になっている。







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