モーツァルトとオペラ 第3回
今週は、モーツァルトの代表作でオペラ史上に燦然と輝く金字塔「フィガロの結婚」を。
あまりに有名な作品なのでストーリーの詳細説明は省くが、18世紀のセヴィリアの貴族の家を舞台に、フィガロとスザンナの結婚を巡って繰り広げられるドタバタ劇。登場人物はすべて愛すべきキャラクターとしてモーツァルトによって活き活きと描かれている。ストーリー的にも無理がなく、当時としては、考えられないほどの完成度を誇っている。
台本を書いたのはイタリア人のダ・ポンテ。不義密通でイタリアを追われ、1783年からウィーンに移住。サリエリを始めとする数多くの作曲家のために台本を書いた。その中でも、モーツァルトのために書いた「フィガロの結婚」「ドン・ジョヴァンニ」「コジ・ファン・トゥッテ」の3作品は、ダ・ポンテ3部作として、古今東西のオペラの最高傑作として今に残っている。
「フィガロの結婚」の原作は、フランス人劇作家のボーマルシェが書いた通称フィガロ3部作と呼ばれる作品のうち、第2部に当たる「フィガロの結婚、またはばかげた1日」。良く知られていることだが、第1部は「セヴィリアの理髪師」で、ナポリ楽派の作曲家パイジェッロがモーツァルトの4年前の1782年に、そしてロッシーニが「フィガロの結婚」から30年後の1816年に傑作オペラ・ブッファに仕上げた。話はつながっていて、登場人物もほぼ同じである。更に言うと、第3部は「罪ある母」という作品で、「フィガロの結婚」から20年後、伯爵家の子供は、実は伯爵夫人とケルビーノの間に生まれた子。ストーリーはフィガロが機転を利かせて伯爵家の危機を救うという話。フランス人のダリウス・ミヨーがオペラを作曲したが、現代で上演されることは全くない。
見どころは最初から最後まですべてにおいて、音楽的に素晴らしい。オペラファンでなくても誰もが知っている旋律がたくさんある。当時のオペラはアリアが中心でそれをつなぎ合わせてオペラを構成していたが、フィガロの結婚では、2重唱、3重唱、4重唱、6重唱とアンサンブルが中心になっている。
そして、アリアも傑作ぞろい。ざっと挙げてみると、まずは聞いているだけで心が沸き立つような「序曲」。伯爵夫人の「愛の神様よ」と「楽しい思い出はどこに」、フィガロの「伯爵様、踊るなら」「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」、伯爵の「訴訟は勝ちと!」、スザンナの「早くおいで、美しい喜びよ」、ケルビーノの「自分で自分が分からない」「恋とはどんなものかしら」、バルトロの「そうだあだ討ちこそ!」、伯爵夫人とスザンナの「手紙の2重唱」、3幕の6重唱などなど。私が1番好きなのは、4幕フィナーレ直前、浮気がばれた伯爵が、「奥方よ、許してくれ」と許しを乞うところ。たった4小節の短いフレーズだが、天にものぼるような美しい旋律だ。

ミュンヘン・バイエルン国立歌劇場の「フィガロの結婚」
スザンナと伯爵夫人とケルビーノ
© Wilfried Hösl
初演の行われたスタヴォフスケー劇場ではないが、
プラハの国立オペラ劇場客席とオケピット
台本を書いたのはイタリア人のダ・ポンテ。不義密通でイタリアを追われ、1783年からウィーンに移住。サリエリを始めとする数多くの作曲家のために台本を書いた。その中でも、モーツァルトのために書いた「フィガロの結婚」「ドン・ジョヴァンニ」「コジ・ファン・トゥッテ」の3作品は、ダ・ポンテ3部作として、古今東西のオペラの最高傑作として今に残っている。
「フィガロの結婚」の原作は、フランス人劇作家のボーマルシェが書いた通称フィガロ3部作と呼ばれる作品のうち、第2部に当たる「フィガロの結婚、またはばかげた1日」。良く知られていることだが、第1部は「セヴィリアの理髪師」で、ナポリ楽派の作曲家パイジェッロがモーツァルトの4年前の1782年に、そしてロッシーニが「フィガロの結婚」から30年後の1816年に傑作オペラ・ブッファに仕上げた。話はつながっていて、登場人物もほぼ同じである。更に言うと、第3部は「罪ある母」という作品で、「フィガロの結婚」から20年後、伯爵家の子供は、実は伯爵夫人とケルビーノの間に生まれた子。ストーリーはフィガロが機転を利かせて伯爵家の危機を救うという話。フランス人のダリウス・ミヨーがオペラを作曲したが、現代で上演されることは全くない。
見どころは最初から最後まですべてにおいて、音楽的に素晴らしい。オペラファンでなくても誰もが知っている旋律がたくさんある。当時のオペラはアリアが中心でそれをつなぎ合わせてオペラを構成していたが、フィガロの結婚では、2重唱、3重唱、4重唱、6重唱とアンサンブルが中心になっている。
そして、アリアも傑作ぞろい。ざっと挙げてみると、まずは聞いているだけで心が沸き立つような「序曲」。伯爵夫人の「愛の神様よ」と「楽しい思い出はどこに」、フィガロの「伯爵様、踊るなら」「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」、伯爵の「訴訟は勝ちと!」、スザンナの「早くおいで、美しい喜びよ」、ケルビーノの「自分で自分が分からない」「恋とはどんなものかしら」、バルトロの「そうだあだ討ちこそ!」、伯爵夫人とスザンナの「手紙の2重唱」、3幕の6重唱などなど。私が1番好きなのは、4幕フィナーレ直前、浮気がばれた伯爵が、「奥方よ、許してくれ」と許しを乞うところ。たった4小節の短いフレーズだが、天にものぼるような美しい旋律だ。

ミュンヘン・バイエルン国立歌劇場の「フィガロの結婚」
スザンナと伯爵夫人とケルビーノ
© Wilfried Hösl
初演の行われたスタヴォフスケー劇場ではないが、プラハの国立オペラ劇場客席とオケピット





