本・エンタメ

2007/12/21

ウィーンの音楽事情 第3回

今週はウィーン編の第3回。フォルクスオパーとアン・デア・ウィーン劇場を。

オペレッタの殿堂、ウィーン・フォルクスオパー。オペレッタを中心にオペラ、ミュージカル、バレエが上演されるが、どのオペレッタやオペラでもドイツ語での上演が基本となる。名前の通りフォルクス(民衆)のための劇場としてウィーンっ子たちに親しまれている。

フォルクスオパー外観 ”Oper”の文字が壁面に書かれている。

先週のウィーン国立歌劇場の時にも書いたハプスブルク家の皇帝フランツ・ヨーゼフの即位50周年を記念して、皇帝記念市立劇場として開場した。当初は、ウィーンなまりによる演劇を上演していたが、1904年、ドイツロマン派オペラの金字塔「魔弾の射手」を皮切りにオペラが上演されるようになった。その時の指揮は、当時ウィーンで最も有名な指揮者兼作曲家だったアレクサンダー・フォン・ツェムリンスキー。彼は1906年にフォルクスオパーの初代首席指揮者に任命され、宮廷歌劇場(現在のウィーン国立歌劇場)で上演が認められていなかったプッチーニの「トスカ」やR.シュトラウスの「サロメ」などのオーストリア初演を指揮した。そして、1924年にはシェーンブルクの「幸福な手」の初演、ムソルグスキーの「ボリス・ゴドゥノフ」のウィーン初演などが行われた。その後、ウィーン市の傘下になり、パリにおけるパリオペラ座とコミック座のような関係で、オペレッタや比較的軽いオペラを上演するようになった。第2次世界大戦後の1945年からは国立となり、消失してしまったウィーン国立歌劇場の公演も行われたが、1950年代からは「キス・ミー・ケイト」「ウェストサイド物語」「マイ・フェア・レディ」などアメリカのミュージカルも上演されるようになった。

フォルクスオパー客席
 
ウィーン市の北西部、ヴェーリンガー・シュトラッセという通りに位置し、シーズンはウィーン国立歌劇場と同じく9月1日から6月30日までの10ヶ月間、約300公演がレパートリー方式によって、ほぼ毎日上演される。座席数は1261席で、立見席は72席、平土間を4層のボックス席が取り囲む。民衆のための劇場とはいいながら、地元ウィーンの口うるさい年寄りが多いのであまりラフな服装は嫌われるので注意が必要。

2008年5月には9年ぶりに引越し公演で来日する予定。定番の「こうもり」にスッペの「ボッカッチョ」、フロトーの「マルタ」という魅力的なラインナップが組まれている。

「こうもり」の華やかな2幕の舞台






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