私のアート作品購入体験記を紹介します。
いったいどのような感じでアートを購入するのか?という興味や質問に答えるため、最近購入したアート作品展についての顛末記を2例紹介します。
【1】 表情(カオ)に宿るスリルとうつくしさを求めて 門倉直子
「最近童画のような作品が流行っているのかよく目につく。今回紹介する門倉直子さんもそんな作風の若い女性画家である。画廊からの案内状で、これはおもしろそうな絵だと思って見に行くつもりだったが、初日を勘違いして画廊に行くのが遅くなった。案の定、案内状の作品は売れていたが、とにかく安いので気に入ったものを2点購入した。6号以下はすべて5000円という価格設定は作家の意志らしいが、絵を少しでも一般の人に買ってもらって楽しんでもらおうという意味では、とても良いことである。画廊は敷居が高くて入りにくい、絵は高額なものだという先入観を持っている庶民感覚を払拭するにも、今回の個展は画廊さんの協力あっての試みとして評価したい。」 
以上は私の「注目作家シリーズ」の2000年に書いた文章だが、それから現在までずっと継続して見て来ている作家である。門倉さんは1977年生まれで、2001年に文化学院芸術専門学校を卒業するが、在学中の2000年に「文化フォーラム104柏市美術展」で大賞を取っており、その年に羅針盤で個展をやっているので、私が作品を購入したのは初個展の時だったようだ。その時の2点は「オバQ」のような作品と腕時計をしたような人物の作品で、いずれも白地に淡い黄色で描いたかわいい絵である。

その後も、彼女はデパートで働きながら創作活動を続け、展覧会も毎回見ているが、人物から顔に重点が移ってきたようにも感じている。彼女のことは、友人の有力コレクターも推薦しているし、知り合いの画廊さんでも何度か取り上げてくれているので将来有望な作家の一人だ。
彼女は1999年の夏頃から作品を発表し始めたが、始めの頃は自分の分身のような人物を描いていたが、最近は実際にいそうな架空の少女や少年を描くようになったとのことだが、一貫して人物中心の作品を制作している。
モデルは特にいないので、電車や街中で見かけた人のイメージをもとに描いているそうだ。それらの顔を目撃したときは、脳に焼き付けておき、後でメモしたり、強いイメージだとそのままキャンバスや紙に向かうこともあると言う。 「顔を追うことは人の神秘に迫る体験です。ふとした表情にスリルとうつくしさがを感じます。様々な感情がせめぎあう瞬間の顔。一筋縄ではいかない人間のおかしみがそこにある気がします。私はあなたの表情(カオ)を見逃さない。カオを描いたいと願っています。」私が彼女の作品にひかれるのは、元々人物画が好きな私が、上記の言葉にあるような彼女の創作姿勢に共感しているからかも知れない。





