イベント会場化する美術館とタレント化する芸術家
金沢21世紀美術館の盛況ぶりや六本木の国立新美術館やサントリー美術館の開館で低迷していた美術館にも関心が集まっていますが、美術館はもともと王侯・貴族や教会・寺院などの所蔵品を保管・公開する目的で始まり、そのために作品を修復・保存するとともに研究と教育もになうところでした。
しかし、近年は大半の美術館が国家や地方自治体などの公的な運営になったことから、当初の目的以外の様々な要求に対応せざるを得ない状況に陥っています。所蔵品の保管・展示や研究だけでなく、地元作家や日曜画家の為の市民ギャラリーの運営、住民(多くは子供や老人ですが)を対象としたワークショップなど、求められる要求は多岐にわたっています。 メインである作品展示についても、所蔵品だけの常設展では人が集まらず、内外の有名作家を集めた企画展でないと人が来ないので駄目だという風潮にあり、
その点でも地域密着型の市民ギャラリーやワークショップにも頼らざるを得ない状況です。このように地域の住民の多様なニーズに答えなければいけない一方で、公的美術館は国や地方自治体の財政逼迫化の中で予算削減と経済的自立を迫られるており、
作品購入予算はもちろん、運営費すらまかなえず、存亡の危機にある美術館も出てきています。 このような状況の中で、美術館もようやくお客を意識し、入場者を集めるための努力を余儀なくされて来ているのは、これまでのお役所仕事的な美術館には良い刺激にもなっています。しかし、中にはとにかく人が入ればいいということで、アニメとかマンガとか民間のデパートの催事のような企画を始めるところも出てきています。





