本・エンタメ

2007/05/28

サラリーマン・コレクター(サラコレ)誕生。

普通のサラリーマンである私が30年ほど前に一点絵を買って以来、毎週末の画廊まわりが趣味になり、こつこつ蒐集してきたコレクションも1000点を超え、「サラリーマン・コレクター」としてマスコミ等にも登場するようになっていますが、今回は私が始めて絵を買ったきっかけをお話ししたいと思います。

サラリーマンでアートが好きという人も多少はいますが、その大半が美術の知識・教養を持つたり、美術館まわりが好きだとか、趣味で絵や焼き物を創るという人で、画廊まわりやアートを購入しコレクションすると言う人はほとんどいないのではないでしょうか?そんな私も美術館へ行くことはあっても、「絵を買う」などと言うことはお金持ちのやることで、まったく自分には関係のないことと思っていました。

約30年前、転職したことを契機に新築のマンションを購入したのですが、意外と壁が多く居間に1点絵を掛けてみたいと思いました。最初は名画の複製品でも買おうと思って、以前から知っていた会社の近くの丸善のギャラリーへ行きましたが、複製でも良いもので額に入ったものはかなりの金額でした。そこで、無名でもいいから本物の絵を買いたいと思ったのですが、さて絵を買うにはどうしたらいいか困ってしましました。絵を買うなら画廊だと思うのですが、画廊はどこにあるのかも分からないし、何となく敷居が高くて入りにくいので、やはり近くのデパートの画廊に行ってみました。しかし、デパートで扱うような作家はそれなりに評価の定まった人で、サラリーマンには一桁違う金額でした。

そうこうしている中で、ある時銀座を歩いていたらセントラル美術館という看板が眼に止まりました。元ボーリング場だったところで、とても広い会場でまさに美術館のようで入りやすかったのですが、実は美術館と称していますが大きな画廊だったのです。たまたまやっていた展覧会が東京芸大と京都美大の卒業生たちが新作を発表しあう、東西両美大のエール交換とも言える「双美会」という企画展で、上は奥村土牛、平山郁夫などの有名大家から下は卒業したての若手作家まで総勢100人程の作家が出品していました。

会場をずっと回っていて、インドの少女が花かごを頭の上に載せている1点に釘付けになりました。その作品はまだ若い石踊紘一という作家の「花を売る娘」という作品でした。しばらくじっと眺めていたのですが、背中に視線を感じて振り向くと画廊の店員さんがいて声をかけられました。その当時ですから値段も書いてないので、判断に困りましたが、念のため価格を聞いたところ当時の私の月給分でした。やっぱり絵は高いもので、サラリーマンには無理だと思ったのですが、実はその絵は日本画だったから若手でも高かったのです。あとになって思えば、サラリーマンが初めて絵を買うならまず版画から始めて、次ぎに油絵、日本画というように進むのが一般的だったのですが、当時はそんなこともまったく知りませんでした。オイルショック後の不況下でしたので店員さんも熱心に薦めるし、月賦でもいいと言うことで、清水の舞台から飛び降りるつもりで買ったのが写真の作品です。





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