本・エンタメ

2007/03/09

「007カジノロワイアル」

「男の隠れ家」となればやはり007は避けては通れないでしょう。アカデミー賞など全く気にせずエンターテインメントに徹している姿に、潔さと「楽しくなければ映画じゃない」というどこかのテレビ局のキャッチフレーズを思い起こしてしまう。

ストーリー的には水戸黄門やアンパンマン同様、勧善懲悪・絶対ハッピーエンディングというお約束があるから絶体絶命の危機に直面しても「さあ、どうやって切り抜けるの?」と安心してみていられる。「おいおい、それはないだろう」ということも間々あるが。

昨年観た映画の中で、見終わった後一番痛快だったのは007カジノロワイアルだ。私の中で007は絶対「ショーン・コネリー」で、テレビで放映されるコネリー版に親しんできた。

ロジャー・ムーアはにやけ過ぎ、ピアーズ・プロズナンは線が細く、スマート過ぎで「探偵レミントン・スティール」は大好きだったが007としてはあくがなさ過ぎる。(全く個人的な好みによる独断と偏見です。ファンの方々に陳謝)

ティモシー・ダルトンはコネリー路線で結構よいのじゃないかと思っていたが残念ながら二作で終わってしまった。ムーアとプロズナンの007は秘密兵器と美女とのロマンスにド派手なアクションばかりですっかりマンネリ、DVDになってもテレビ放映されてもさほど見たいとは思わなかった。一作だけコネリーがキム・ベイシンガーをボンドガールに、ミスタービーンのローワン・アトキンソンが端役で出ていた「ネバーセイ・ネバーアゲイン」で復活した。(法的な問題で007とはいえずテーマ曲も使えなかったが)髪の毛が淋しくなってもやっぱりコネリー!の思いを強くした。

その点ダニエル・クレイグは「トゥーム・レーダー」の敵なのか味方なのかわからない怪しさが印象的で、まさにコネリーの後継者にふさわしい(勝手な思い込みです)。
最初のタイトルバックのトランプを使ったイラストレーションのおしゃれなこと。ロケの景色が素晴らしい!バハマの海岸、チェコの温泉町、ヴェネチア、スイスのコモ湖など娯楽映画にふさわしい。

オープニングでボンドと壮絶なチェイスを繰り広げたセバスチャン・フォーカンの身体能力は凄いの一言、究極のスポーツ「バルクール」というものらしいが人間業とは思えない。ボンドも追っかけるのにエレベーターなどを使って青息吐息だ。

前々から不思議に思っていたがどうして悪役ボスは病気を抱えている人が多いのか。ドクター・ノオは両手義手、ゴールドフィンガーのオッドジョブ(日系のハロルド坂田)は口が不自由、サンダ―ボール作戦の刺客ラルゴは独眼、ワールド・イズ・ノット・イナフのレナードは延髄に銃弾を受け感覚麻痺などなど、今回のル・シッフルも左目から血を流す。

今回のストーリーはテロ組織の資金を株の運用で儲けている男が失敗し、カジノで起死回生の大勝負を仕掛ける。イギリスの国家予算を賭けボンドが対抗し予算の潤沢なCIAが助け舟を出し阻止する。今までのシリーズに比べリアリティーがあり、ボンドも若く苦悩する。はらはらどきどきの2時間半があっという間に感じられた。次回作に大きな期待がもてる極上のエンターテインメントだ。

ポーカーのルールとお酒の知識があればもっと楽しめただろうにというのが残念でならない。「男の隠れ家」で勉強して <ヴェスパー・マティーニ>飲んでみようっと。





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