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2007/03/20

スイング、二つのコンサート

この2週間で二つのコンサートを聴いた。
3月2日花岡詠二スヰング・オールスターズ「ビュッフェクランポン ミニ・コンサート」。3月11日鈴木直樹「鈴懸の径 Old Good Concert」。共に今スイング界を背負って立つ、ベテランと中堅のクラリネットである。

花岡詠二スヰング・オールスターズは、クラリネットなどの楽器メーカーのビュッフェクランポンの主催によるもので、注目すべきは花岡詠二を始めメンバーにある。
クラリネットとカーブド・ソプラノSaxは御大花岡詠二、ヴァイブラホーンは踊るヴァイブラニスト出口達治、ギターは1928年製The Gibsonで見事なコードソロを聴かせてくれる佐久間 和。
ピアノはいつもは若手でストライド奏法の得意な山本 琢だが、今回はベテランでやはりストライドで鳴らす大橋高志。そしてベースはスイング、トラッド系だったらこの人の右に出る人はいないだろうという、アコースティックなベーシスト小林真人。
今、スイング界で注目のメンバーが揃ったと言っても過言ではないだろう。いわゆる花岡組(あえてこう呼ばせていただく)の、この顔ぶれに逢いたくて出かけた。

御大は少し風邪気味と言う事で、鼻声であると同時に多少息苦しそうで気の毒だったが、演奏は良かった。
1セット目はアーティ・ショウ、ジョージ・ルイス、エドモンド・ホール、バディ・デフランコなど、お馴染みのクラリネットを追いかけて、スタイルの違いなど吹き方・音まで似せていた。

噺家でもそうだが、極めた人が先人の真似をするのは、単に似ていると言う前に、その人の見識がその模写の中に出てきて芸になってるから面白い。
以前に噺家の入船亭扇橋師匠と世間話をしている時、甘党な師匠だけに羊羹を摘みながら八代目三笑亭可楽や三代目桂三木助(2001年の正月に自殺した四代目三木助の親父)の物真似をやってくれたが、これは面白かった。

口調と言い、顔つきと言いまさに芸であり、花岡詠二の演奏にもそんな趣があって興味深く楽しかった。特に僕が好きということもあり、エドモンド・ホールの「Lonesome Road」は良かった。

2セット目に入ってカーブド・ソプラノサックスでの「Old Fashioned Love」はいつ聴いてもいい。好きだなぁ、僕は━

この花岡組はアコースティックなサウンドがコンセプトということで、ベースもギターも電気を使わない。 特に僕は佐久間 和のギターがいい。持ってるギターもいいが、彼のカッティングとそのコードソロが堪らなくいい。今回も随所でその見事なソロを聴かせてくれた。

そういえば佐久間 和も昨年秋CDを出した。
うれしいことに最近ではあまり聴かれなくなった「Sugar」をやっている。それに僕の大好きな「Do You Know What It Means To Miss New Orleans?」も━
タイトルは「NAGOME SAKUMA SMILES!」是非聴いてみて欲しい。(http://www.audiopark.gr.jp)

さて3月11日に行われた鈴木直樹「鈴懸の径 Old Good Concert」も、メンバーに惹かれた。
鈴木直樹は鈴木章治の甥っ子(弟の鈴木正男もクラリネット)で1年前まで約10年にわたって、ライブやコンサート、イベントなどに僕も関わってきた。
久しぶりに彼の演奏を聴く事が楽しみであると同時に、他のメンバーが日本のスイング界をリードしてきた大ベテランであることから、胸をときめかせて出かけた。

今回のコンサートはその鈴木章治の甥っ子の鈴木直樹が、鈴木章治とリズムエースに関わりのあったプレイヤーとともに演奏しようと言う趣向のもの。
まず初代リズムエースのピアニスト秋満義孝、ヴァイブラホーンは40年近くにわたって鈴木章治と共にプレイした松崎龍生、ドラムスは最後のリズムエースのメンバー近藤和紀。
ベースはリズムエースとは関係ないが、日頃から鈴木直樹が親しくさせていただいているベテランの根市タカオ(かつての11PMでお馴染みの大橋巨泉の「杉原 淳とサラブレッツ」の元メンバー)である。

これだけの大御所メンバーに囲まれると、今売り出し中のさしもの鈴木直樹も緊張したのだろう、最初のうちは音が硬かった。
ただ全体をみると、一年前と比べて音にしなやかさが出てきて、かつての鈴木章治を想わせるところが随所にあった。やはり血筋だろう。

それに昨秋、ピアノのエディ・ヒギンスとのレコーディングが良い経験になったのではないだろうか。ただがんがん吹きまくるのではない、抑え気味な吹き回しが良かった。
「MELODIOUS TIME」(http://www.aslinkage.com/)まだそのCDは聴いていないから、また聴いてから詳しくご紹介したいと思う。

看板の「鈴懸の径」は、親父の鈴木正男との2クラリネットで、鈴木章治とピーナッツ・ハッコーの匂いを出していた。

会場は鈴木直樹の応援者でいっぱいとなり、和気あいあいとしてさながらファミリーコンサートのようだった。
(文中、敬称は略させていただいてます。)





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