ロックは死なない5 ピンク・フロイドと狂気
ピンク・フロイドの最高傑作というと、『狂気』だと思います。ロジャー・ウォータースのソロアルバムみたいな『ザ・ウォール』ではないでしょう。
このバンドが演奏する荒涼とした風景は、もはや完成した1つのスタイルだと思いますし、それが頂点を極めたのが『狂気』でした。ロジャーがいくらがんばって『ザ・ウォール』を製作しても、ロジャーの提示する作品ではなく、ピンク・フロイドの音に支持が集まる、というのが事実でした。
Pink Floydというと、ぼくが真っ先に思い浮かぶのは、日本で活躍した悪役外国人レスラーのAbdullah The Butcherのテーマ曲「One Of These Days」です。ひたすら不気味なベースの音が響き、いかにもっていう雰囲気を出しています。Butcherは登場してもすぐにリングには向かわず、周囲の観客を蹴散らしていく、そしてThe Sheikとのタッグチームは、とにかく最凶悪コンビということで、人々の記憶に残っています。
でも、プロレスの話はそのぐらいにしましょう。今夜は、「One Of These Days」が収録されている1971年の『Meddle』ではなく、1973年の『The Dark Side Of The Moon』を聴きたいと思うのです。
Pink Floydがデビューしたのは1967年、Syd Barrettを中心に結成されました。あとのメンバーは、Roger Waters、Richard Wright、Nick Masonの3人でした。しかし、Sydが重度の麻薬摂取などによってバンド活動ができなくなり、David Gilmourを迎えることでバンドが継続され、Sydはそのまま脱退してしまいました。
当初は、サイケデリック・ロックのバンドということでした。フロイドというと「夢判断」、それがピンクとくれば、なるほどなあ、と思います。が、実際には、そういう由来ではないのですが。
Sydという中心を失ったグループは、よりロック・バンドとして高い構成力を持った作品を目指すようになります。そうした指向が、プログレッシブ・ロックというジャンルの中に位置付けられるようになった、そう思います。
実質的なリーダーは、Rogerでしたが、他のメンバーも同じバンドの仲間としてソングライティングなどに参加し、1つの作品を作り上げていく、そういうスタイルでした。そうして製作されたアルバムの頂点に位置するのが、この『The Dark Side Of The Moon』ということになります。
このアルバムの全10曲は、あたかも1つの曲であるように構成されています。このアルバムからRogerが全曲の作詞を手掛けるようになりましたが、そこにはRoger自身による、主人公の人生を描くという、そうしたストーリーがあったからです。その意味では、徹底したコンセプトアルバムでした。けれども、他のメンバーもそのことは承知し、Rogerの描いたストーリーに曲を提供しています。
このアルバムで最も耳に残るのは、SE(効果音)かもしれません。4曲目の「Time」の目覚まし時計の音や6曲目の「Money」のレジスターの音です。
聴いていても、ポップミュージックという気はあまりしません。でも、そんなものは誰もPink Floydには求めていないでしょう。ただそこには、荒涼とした風景が広がる。月の暗い側、でしょうか。プリズムをあしらったシンプルなジャケットは、それでも闇ではなく、光を見る、というか闇だからこそ光が見える、そんなことを感じさせます。
『The Dark Side Of The Moon』は実は、ギネスブックにも記録されるアルバムです。ビルボードのチャートで741週間にわたってチャートインしていたのですから。それは、Rogerがバンドを解散させるべく、脱退を宣言したときにもなお、チャートインしていたということになります。
でも、プロレスの話はそのぐらいにしましょう。今夜は、「One Of These Days」が収録されている1971年の『Meddle』ではなく、1973年の『The Dark Side Of The Moon』を聴きたいと思うのです。Pink Floydがデビューしたのは1967年、Syd Barrettを中心に結成されました。あとのメンバーは、Roger Waters、Richard Wright、Nick Masonの3人でした。しかし、Sydが重度の麻薬摂取などによってバンド活動ができなくなり、David Gilmourを迎えることでバンドが継続され、Sydはそのまま脱退してしまいました。
当初は、サイケデリック・ロックのバンドということでした。フロイドというと「夢判断」、それがピンクとくれば、なるほどなあ、と思います。が、実際には、そういう由来ではないのですが。
Sydという中心を失ったグループは、よりロック・バンドとして高い構成力を持った作品を目指すようになります。そうした指向が、プログレッシブ・ロックというジャンルの中に位置付けられるようになった、そう思います。実質的なリーダーは、Rogerでしたが、他のメンバーも同じバンドの仲間としてソングライティングなどに参加し、1つの作品を作り上げていく、そういうスタイルでした。そうして製作されたアルバムの頂点に位置するのが、この『The Dark Side Of The Moon』ということになります。
このアルバムの全10曲は、あたかも1つの曲であるように構成されています。このアルバムからRogerが全曲の作詞を手掛けるようになりましたが、そこにはRoger自身による、主人公の人生を描くという、そうしたストーリーがあったからです。その意味では、徹底したコンセプトアルバムでした。けれども、他のメンバーもそのことは承知し、Rogerの描いたストーリーに曲を提供しています。
このアルバムで最も耳に残るのは、SE(効果音)かもしれません。4曲目の「Time」の目覚まし時計の音や6曲目の「Money」のレジスターの音です。聴いていても、ポップミュージックという気はあまりしません。でも、そんなものは誰もPink Floydには求めていないでしょう。ただそこには、荒涼とした風景が広がる。月の暗い側、でしょうか。プリズムをあしらったシンプルなジャケットは、それでも闇ではなく、光を見る、というか闇だからこそ光が見える、そんなことを感じさせます。
『The Dark Side Of The Moon』は実は、ギネスブックにも記録されるアルバムです。ビルボードのチャートで741週間にわたってチャートインしていたのですから。それは、Rogerがバンドを解散させるべく、脱退を宣言したときにもなお、チャートインしていたということになります。





