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2008/09/27

ロックは死なない3  ブライアン・フェリーとボーイズ・アンド・ガールズ

ブライアン・フェリーというと、ダンディなイメージでしょうか。でも、そのわりには、けっこう情けないラブソングを歌っていたり、恋人をミック・ジャガーにとられたり、ライブではへろへろになっていたりして、まあ、その、何というか、まあ、そういうところが好きなんですけれども。
今夜はその、情けない男というブライアンの『ボーイズ・アンド・ガールズ』を聴くことにします。

「あなたって、いい人ですね」と女性に言われて、男性はうれしいだろうか。いい人って、まあ、それだけの存在ですねっていうことなわけですから。

でも、「いい人」って言われた男性としては、本人は少しもいい人でいたいとは思わないわけで、けっこう内心は女々しくなったりします。それって、自分のことでしょう、っていう突っ込みは入れないで下さいね。

Bryan Ferryは、一見、ダンディなイメージだけで、聴きこんでいくと、けっこう女々しい歌をせっせと歌っているというアーティストです。

Philip Oakeyは資質的にほんの少し似ている、という気がしないでもないです。私生活でも、恋人だったJerry HallをRolling StonesのMick Jaggierにとられてしまうし。まあ、それはいいんですけれど、ふわふわとした音づくり、渋い声なのになよっとした歌い方、まあ、それもいいんですけど。それに、インタビューを読んでいると、本当に「いい人」なんだなぁっていうことが伝わってきて。

だから、John Lennonが死んだとき、Bryanが選んだ曲が「Jealous Guy」だというのも、何となくわかる気がします。

BryanはRoxy Musicを結成する前、Greg Lakeの後釜のボーカリストを探していたKing Crimsonのオーディションを受けたことがあると言われています。そのときは、「The Court Of The Crimson King」を歌ったらしいのですが。それはそれで、聴いてみたいと思います。録音したテープが残っていれば良かったのにね。

それはともかく、Roxy Musicはちょっとアバンギャルドなロックバンドとしてデビューしました。Brian Enoの影響もあったかもしれません。今からは想像もつきませんが、グラムロック的なビジュアル系の部分まで、Enoは担っていました。

けれども、Roxy Musicは結局のところ、Bryanのバンドです。彼のロックのみならず、ソウルやジャズ、さらには古い映画のサウンドトラックまでを含めた広範な音楽的背景と、ゆるく流れるような音を、パーマネントなバンドで具体化していく、そういったバンドだったと思います。それゆえ、サックスやオーボエの奏者、バイオリン奏者がメンバーとして参加し、類を見ないサウンドを構築しています。

逆に、Bryanのソロアルバムは、カバーが中心でした。バンドのメンバーが、バンドでは解消されない自分のアーティストとしてのエゴを解消させるために、ソロアルバムを製作することがありますが、Bryanの場合は、シンガーとしてのエゴを解消させるものだったと思いますし、その点では他のアーティストのソロアルバムとは異質なものでした。

Roxy Musicの最高傑作は、『Avalon』だと思うのです。自分が考える音を実現させるために、Roxy Musicというバンドを限界まで引っ張り、同時に多くのゲストミュージシャンを起用することで、不足を埋めていきました。こうして完成した82年のこのアルバムは、Roxy Musicの(現時点での)最後のスタジオアルバムとなりました。また、アルバムで念入りに作られた音はライブでの再現が難しかったのか、このアルバムの曲は直後のツアーではあまり演奏されませんでした。

けれども、このアルバムの成功の要因はそれだけではなく、このジャケットに写っている女性、後にBryanと結婚するLucyの存在があり、本人としても幸せな時期だったということもあるでしょう。






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