イエス・ミュージックの夜+1 フラッシュとピーターの70年代
Peterはディストーションを聞かせたワイルドな演奏をする一方で、ゆがみのない高音部をフィーチャーした演奏もしばしば聞かせてくれます。『Out Of Our Hands』の1曲目「Open Sky」という短い曲がそうなのですが、この音作りの延長に、初めてのソロアルバム『Two Sides Of Peter Banks』があります。バックこそJohn WettonやPhil Collinsなど早々たる顔ぶれなのですが、出来上がった音は奇妙な環境音楽とでも言うものでした。正直、ぼくはあまり好きにはなれないのですが、Peterは後にいくつものソロアルバムをこの音の延長で製作しています。そして、こうした音作りが充実した演奏になるのは、後に述べるように、2006年まで待つ必要がありました。
では、ソロではこうしたこじんまりした演奏ばかりだったのでしょうか。そうではありません。『Guitar Workshop Volume Two』というアンソロジーで、わずか2曲ですが、実力あるミュージシャンをバックに荒々しい演奏を展開しています。このアルバム、まだCD化されていないのが、本当に残念なのですが。
今回の再発には収録されていませんが、Flashにはアルバム未収録の「Watch Your Step」という曲があります。アメリカツアーを前に発表されたシングルで、短い曲ながら、Flashらしい音だなあ、などと思います。本当はもっと長い曲だったのに、カットされてしまったということなのですが。実はこの曲は、Ray Bennettのセッションを集めたソロアルバム『Angels And Ghosts』で、このシングルのB面「Never Stand Behind An Old Piano」という変な曲(というか雑音?)とともに聴くことができます。他にもFlashには『Psycosync』というライブアルバムがあって、アメリカではけっこう受けていたことがわかります。
Flashを解散させたPeterですが、基本的なスタイルは変わることはなく、すぐにFlash Mark2というバンドを模索します。それはやがて、Empireというバンドに発展します。中心となるのは、Peterと女性ボーカルのSydney Foxxの二人。この夫婦が中心で、他のメンバーは流動的なのですが、とにかく音楽活動を継続し、レコーディングも行うのですが、アルバムを発表することなく、79年に解散しました。
このときの音源は、『Mark1』から『Mark3』というタイトルで90年代後期に、One Way Recordsからリリースされていますが、それは本当にFlashの延長にあるサウンドでした。同時に、夫婦で売れない音楽活動を続けていくということそのものが、何となく泣かせます。メンバーにはPhil CollinsやJohn Giblinといった名前もあり、そのままBrand Xにつながってしまうものなのです。その結成前のセッションもまた、実は『Angel And Ghost』で聴くことができるのですが。
Peterの最新アルバムは、2006年のHarmony in Diversityというバンドによる『Trying』というアルバムだと思います。Peterのソロアルバムは、ニューエイジっぽい音作りばかりしていた、そんな印象があって、ファースト以降あまり好きではありませんでした。けれども、そうした音がバンドによる固まった演奏となったとき、不思議なグルーブ感を醸し出すということを、このアルバムで認識しました。単純なリフを繰り返しているようで、それが心地よさとテンションの高さの両方をもたらす。あえて言えば、「ボレロ」のような構成で、ジャズロックを演奏している、とでも言うのでしょうか。ソロアルバムでは、自分ですべてをコントロールしていくことによる袋小路に入るものだったものが、ドラムスとベースが支えることによって、開かれていく。Peterの演奏はワイルドなものではなくなっていますが、それゆえの安心できる、高揚感のある音が展開されている、そういうものでした。
現時点で、Peterもまた、Jon Andersonといくつかの曲を作ったと伝えられています。Yes結成から40年目にして、この二人の合作ができた、ということでしょうか。この曲もまた、Yesの41周年記念アルバム(というものがあるとしたら、ですが)に収録されるといい、そんなことを思っています。
では、ソロではこうしたこじんまりした演奏ばかりだったのでしょうか。そうではありません。『Guitar Workshop Volume Two』というアンソロジーで、わずか2曲ですが、実力あるミュージシャンをバックに荒々しい演奏を展開しています。このアルバム、まだCD化されていないのが、本当に残念なのですが。今回の再発には収録されていませんが、Flashにはアルバム未収録の「Watch Your Step」という曲があります。アメリカツアーを前に発表されたシングルで、短い曲ながら、Flashらしい音だなあ、などと思います。本当はもっと長い曲だったのに、カットされてしまったということなのですが。実はこの曲は、Ray Bennettのセッションを集めたソロアルバム『Angels And Ghosts』で、このシングルのB面「Never Stand Behind An Old Piano」という変な曲(というか雑音?)とともに聴くことができます。他にもFlashには『Psycosync』というライブアルバムがあって、アメリカではけっこう受けていたことがわかります。
Flashを解散させたPeterですが、基本的なスタイルは変わることはなく、すぐにFlash Mark2というバンドを模索します。それはやがて、Empireというバンドに発展します。中心となるのは、Peterと女性ボーカルのSydney Foxxの二人。この夫婦が中心で、他のメンバーは流動的なのですが、とにかく音楽活動を継続し、レコーディングも行うのですが、アルバムを発表することなく、79年に解散しました。このときの音源は、『Mark1』から『Mark3』というタイトルで90年代後期に、One Way Recordsからリリースされていますが、それは本当にFlashの延長にあるサウンドでした。同時に、夫婦で売れない音楽活動を続けていくということそのものが、何となく泣かせます。メンバーにはPhil CollinsやJohn Giblinといった名前もあり、そのままBrand Xにつながってしまうものなのです。その結成前のセッションもまた、実は『Angel And Ghost』で聴くことができるのですが。
Peterの最新アルバムは、2006年のHarmony in Diversityというバンドによる『Trying』というアルバムだと思います。Peterのソロアルバムは、ニューエイジっぽい音作りばかりしていた、そんな印象があって、ファースト以降あまり好きではありませんでした。けれども、そうした音がバンドによる固まった演奏となったとき、不思議なグルーブ感を醸し出すということを、このアルバムで認識しました。単純なリフを繰り返しているようで、それが心地よさとテンションの高さの両方をもたらす。あえて言えば、「ボレロ」のような構成で、ジャズロックを演奏している、とでも言うのでしょうか。ソロアルバムでは、自分ですべてをコントロールしていくことによる袋小路に入るものだったものが、ドラムスとベースが支えることによって、開かれていく。Peterの演奏はワイルドなものではなくなっていますが、それゆえの安心できる、高揚感のある音が展開されている、そういうものでした。現時点で、Peterもまた、Jon Andersonといくつかの曲を作ったと伝えられています。Yes結成から40年目にして、この二人の合作ができた、ということでしょうか。この曲もまた、Yesの41周年記念アルバム(というものがあるとしたら、ですが)に収録されるといい、そんなことを思っています。





