イエス・ミュージックの夜12 ジェフリー・ダウンズとドラマ
『Asia』の奇跡はただ1度のものでした。Geoffreyはその後、Asiaの成功を一人で背負うことになります。
翌年、Asiaはセカンドアルバム『Alpha』を制作します。アルバムは100万枚を越えるヒットとはなるのですが、ファーストアルバムには及びませんでした。
理由は簡単です。ファーストアルバムでの成功を過剰につきつめてしまったからです。ポップミュージックを求めて、曲はすべてJohnとGeoffreyによって書かれます。
音はひたすら厚くなっていきます。最初のシングル「Don’t Cry」はそのあまりに性急な展開がポップミュージックを暑苦しいものにしてしまいました。ライブではJohnがピアノを弾きながら歌っていた「A Smile Has Left Your Eyes」もまた、大仰な編曲がなされました。ヒットを狙った装飾過剰な音楽は、当時、産業ロックとまで呼ばれました。JourneyやStyxといったバンドが相当するのでしょうか。
今、『Alpha』を聴くと、Steveが必要以上にギターを弾いていることがわかります。そのことが受け入れられなかったのでしょう、まずJohnがAsiaを脱退します。初の来日公演は、同じ元King CrimsonのGreg Lake(本当は元ELPと言った方がいいんですけどね)でした。しかしGregはすぐに脱退し、今度はSteveが脱退します。そしてサードアルバムの『Astra』がリリースされますが、次に脱退したのは、Geoffreyでした。Johnはこのとき、Asiaとして映画「オーバー・ザ・トップ」のサウンドトラック「Gypsy Soul」という曲を提供しています。それは確かにキーボード不在のAsiaの音でした。
しかしドラマは続きます。GeoffreyはAsiaに復帰しますが、その一方で再びJohnがいなくなります。そしてCarlもやがて脱退しますが、そうした中で、Geoffreyは一人でAsiaの看板を守っていきました。『Aqua』『Aria』『Arena』『Aura』といったアルバムを発表し、新しいメンバーでツアーを行います。時にはゲストとしてSteveが参加することもありました。
『Drama』がなければ、『Asia』もなかったでしょう。もちろん、『Asia』のジャケットがRodger Deanの美しいイラストだったということも含めてのことです。その成功を、Geoffreyは一人で背負っていくことになったわけです。ですが、そうした真面目さがミュージシャンとしての信頼につながっているとも思うのです。Asiaを脱退したSteveは元GenesisのSteve HackettとともにGTRというバンドを結成しますが、Geoffreyのキーボードはこのバンドをサポートします。新生AsiaのステージにはSteveがゲストとして参加することもありました。そして後にAlan WhiteのバンドWhiteでもキーボードを担当します。こうしたGeoffreyの活躍を考えると、実はとても愚直なプレイヤーなのではないかと思うのです。
GeoffreyはJohnとの仲も壊れたわけではありませんでした。後にWetton-Downes名義で『Icon』というアルバムを作成します(これにはAnnie Haslamもゲストで参加しています)。その延長として、オリジナルのAsiaを再結成し、ツアーを行い、来日公演はライブアルバムにもなっています。そこでは、「Roundabout」など各メンバーがかつて在籍したバンドの曲まで演奏しています。
そして今年4月には、『Alpha』以来のオリジナルメンバーによるアルバム『Phoenix』を発表しました。正直なところ、優れたメロディもあるのですが、老いを感じさせるアルバムだったと思います。手馴れたアレンジには、勢いはありませんでした。それでもなお、Geoffreyの現在の音楽というものは示されたと思います。
Yesの『Drama』は評価されざる傑作でした。そして、後のドラマの始まりとなったという意味でも、記憶されるべきアルバムです。このアルバムがなければ、『Asia』という奇跡もなかったわけですから。そう思って、『Drama』を聴くと、不思議な想いがします。
翌年、Asiaはセカンドアルバム『Alpha』を制作します。アルバムは100万枚を越えるヒットとはなるのですが、ファーストアルバムには及びませんでした。理由は簡単です。ファーストアルバムでの成功を過剰につきつめてしまったからです。ポップミュージックを求めて、曲はすべてJohnとGeoffreyによって書かれます。
音はひたすら厚くなっていきます。最初のシングル「Don’t Cry」はそのあまりに性急な展開がポップミュージックを暑苦しいものにしてしまいました。ライブではJohnがピアノを弾きながら歌っていた「A Smile Has Left Your Eyes」もまた、大仰な編曲がなされました。ヒットを狙った装飾過剰な音楽は、当時、産業ロックとまで呼ばれました。JourneyやStyxといったバンドが相当するのでしょうか。
今、『Alpha』を聴くと、Steveが必要以上にギターを弾いていることがわかります。そのことが受け入れられなかったのでしょう、まずJohnがAsiaを脱退します。初の来日公演は、同じ元King CrimsonのGreg Lake(本当は元ELPと言った方がいいんですけどね)でした。しかしGregはすぐに脱退し、今度はSteveが脱退します。そしてサードアルバムの『Astra』がリリースされますが、次に脱退したのは、Geoffreyでした。Johnはこのとき、Asiaとして映画「オーバー・ザ・トップ」のサウンドトラック「Gypsy Soul」という曲を提供しています。それは確かにキーボード不在のAsiaの音でした。
しかしドラマは続きます。GeoffreyはAsiaに復帰しますが、その一方で再びJohnがいなくなります。そしてCarlもやがて脱退しますが、そうした中で、Geoffreyは一人でAsiaの看板を守っていきました。『Aqua』『Aria』『Arena』『Aura』といったアルバムを発表し、新しいメンバーでツアーを行います。時にはゲストとしてSteveが参加することもありました。『Drama』がなければ、『Asia』もなかったでしょう。もちろん、『Asia』のジャケットがRodger Deanの美しいイラストだったということも含めてのことです。その成功を、Geoffreyは一人で背負っていくことになったわけです。ですが、そうした真面目さがミュージシャンとしての信頼につながっているとも思うのです。Asiaを脱退したSteveは元GenesisのSteve HackettとともにGTRというバンドを結成しますが、Geoffreyのキーボードはこのバンドをサポートします。新生AsiaのステージにはSteveがゲストとして参加することもありました。そして後にAlan WhiteのバンドWhiteでもキーボードを担当します。こうしたGeoffreyの活躍を考えると、実はとても愚直なプレイヤーなのではないかと思うのです。
GeoffreyはJohnとの仲も壊れたわけではありませんでした。後にWetton-Downes名義で『Icon』というアルバムを作成します(これにはAnnie Haslamもゲストで参加しています)。その延長として、オリジナルのAsiaを再結成し、ツアーを行い、来日公演はライブアルバムにもなっています。そこでは、「Roundabout」など各メンバーがかつて在籍したバンドの曲まで演奏しています。
そして今年4月には、『Alpha』以来のオリジナルメンバーによるアルバム『Phoenix』を発表しました。正直なところ、優れたメロディもあるのですが、老いを感じさせるアルバムだったと思います。手馴れたアレンジには、勢いはありませんでした。それでもなお、Geoffreyの現在の音楽というものは示されたと思います。Yesの『Drama』は評価されざる傑作でした。そして、後のドラマの始まりとなったという意味でも、記憶されるべきアルバムです。このアルバムがなければ、『Asia』という奇跡もなかったわけですから。そう思って、『Drama』を聴くと、不思議な想いがします。





