ディーバの囁き1 アニー・ハズラムとウーマン・トランセンディング
今回はちょっとイエスを離れてみます。ルネッサンスのボーカリストだったアニー・ハズラムは、プログレの世界では歌姫とでも言える存在です。でもそれは、ロックの中でもテクニックが重視される分野で活躍してきたという意味では、特別な存在でもあるのです。同時に、そこにとどまらないアーティストとしての幅の広さは、大人になってしまったぼくたちにとって、なお現在をともに生きる音楽を聴かせてくれていると思います。
ずっとYesのことを書いてきたのだけれども、読者も少し疲れてきたのではないかなあ、なとど思って、今回と次回はちょっと違うアーティストを取り上げます。たまには女性ボーカルで癒されたいなあって、思ってみたりもします。
そんなわけで、今回はAnnie Haslamです。もちろん、言わずと知れたRenaissanceの歌姫です。けれども今回は、ソロアーティストとして紹介したいと思っています。
Yesつながりということで言えば、AnnieはYesのトリビュートアルバム『Tales From Yesterday』に参加し、Steve Howeのギターをバックに、「Turn Of The Century」を歌っています。これが、ベテランシンガーとは思えない少女のような声で歌っていてすごくドキドキします。Annieも気に入っているようで、ライブのレパートリーに加えています。
実際に『Live Under Brazilian Skies』でも歌っています。このときは予算の関係でバックミュージシャンを一人しか連れて行けなかったということですが、それがかえって、Annieの素朴なソプラノのボーカルを聞かせてくれることになるという、そんな演奏になっています。
Annieがソロアルバムを製作するようになったのは、最初はRenaissance時代の『Annie In Wonderland』なのですが、このアルバムは素敵なジャケットのわりには印象が薄いのです。どうしても、バンドの重たい音の反作用が大きかったのかな。もっと軽いアルバムを目指しているとは思うんですけどね。聴きやすいのだけれども。
それから、『Still Life』という、クラシックに歌詞をつけて歌っているというのがあって、これはなかなか気持ちのいいアルバムもあるのです。バックはRoyal Philharmonic Orchestraだし、歌う方も気持ちいいだろうなあ、などとも思います。
けれども、ソロアーティストとして確立された作品というのは、1989年の『Annie Haslam』だと思うのです。このときは、1曲目は、Mike Oldfieldの「Moonlight Shadow」というカバー曲で、これがオリジナルのMaggie Reillyというケルト出身のシンガーが歌っているものよりも正直、聞かせてくれるものなのです。わかりやすい音楽というのでしょうか。ですが、そうではあっても、聞き込んでいくとAnnieのオリジナル曲がだんだん耳になじんでくるのです。プログレッシブロックというジャンルの中で、ずっとボーカルをとってきたということは、女性ボーカルにとってたやすいことではなかったと思うのです。それは、たやすくエモーショナルな歌い方をするわけにはいかないというものだと思うのです。ときにクールに歌い、またソリッドな強さも求められる。
そうして確立されたAnnieのボーカルによるラブソングというのは、くっきり生きる、そんな力強さというものを感じさせます。このアルバムのラスト、「One More Arrow」という曲を聴くたびに、この女性はじっと待つことはしない、ただ自分にふさわしい人間を射止めるだけなんだろう、そんな男も女も同じフィールドに立たされるような愛を感じるのです。
その後もAnnieはソロアルバムや再結成Renaissanceのアルバムをリリースします。けれども、この作品に匹敵するものというと、2006年の『Woman Transcending』ということになります。そして、今夜、聞きたいアルバムがこれなのです。
そんなわけで、今回はAnnie Haslamです。もちろん、言わずと知れたRenaissanceの歌姫です。けれども今回は、ソロアーティストとして紹介したいと思っています。
Yesつながりということで言えば、AnnieはYesのトリビュートアルバム『Tales From Yesterday』に参加し、Steve Howeのギターをバックに、「Turn Of The Century」を歌っています。これが、ベテランシンガーとは思えない少女のような声で歌っていてすごくドキドキします。Annieも気に入っているようで、ライブのレパートリーに加えています。
実際に『Live Under Brazilian Skies』でも歌っています。このときは予算の関係でバックミュージシャンを一人しか連れて行けなかったということですが、それがかえって、Annieの素朴なソプラノのボーカルを聞かせてくれることになるという、そんな演奏になっています。Annieがソロアルバムを製作するようになったのは、最初はRenaissance時代の『Annie In Wonderland』なのですが、このアルバムは素敵なジャケットのわりには印象が薄いのです。どうしても、バンドの重たい音の反作用が大きかったのかな。もっと軽いアルバムを目指しているとは思うんですけどね。聴きやすいのだけれども。
それから、『Still Life』という、クラシックに歌詞をつけて歌っているというのがあって、これはなかなか気持ちのいいアルバムもあるのです。バックはRoyal Philharmonic Orchestraだし、歌う方も気持ちいいだろうなあ、などとも思います。けれども、ソロアーティストとして確立された作品というのは、1989年の『Annie Haslam』だと思うのです。このときは、1曲目は、Mike Oldfieldの「Moonlight Shadow」というカバー曲で、これがオリジナルのMaggie Reillyというケルト出身のシンガーが歌っているものよりも正直、聞かせてくれるものなのです。わかりやすい音楽というのでしょうか。ですが、そうではあっても、聞き込んでいくとAnnieのオリジナル曲がだんだん耳になじんでくるのです。プログレッシブロックというジャンルの中で、ずっとボーカルをとってきたということは、女性ボーカルにとってたやすいことではなかったと思うのです。それは、たやすくエモーショナルな歌い方をするわけにはいかないというものだと思うのです。ときにクールに歌い、またソリッドな強さも求められる。
そうして確立されたAnnieのボーカルによるラブソングというのは、くっきり生きる、そんな力強さというものを感じさせます。このアルバムのラスト、「One More Arrow」という曲を聴くたびに、この女性はじっと待つことはしない、ただ自分にふさわしい人間を射止めるだけなんだろう、そんな男も女も同じフィールドに立たされるような愛を感じるのです。その後もAnnieはソロアルバムや再結成Renaissanceのアルバムをリリースします。けれども、この作品に匹敵するものというと、2006年の『Woman Transcending』ということになります。そして、今夜、聞きたいアルバムがこれなのです。





