イエス・ミュージックの夜7 リック・ウエイクマンとトーマト
何となく、品行方正なメンバーが多いイエスの中で、もっとも人間的なアーティストがリック・ウエイクマンかもしれません。何度も脱退と復帰を繰り返し、また湯水のごとくソロアルバムを製作する。そうした振幅の多い音楽活動の中で、時には誰よりもアーティスティックであり、またある時はユーモラスなプレイを披露する。誰よりもリックのプレイは安心をもたらすものだと思います。
Yesの二代目キーボードプレーヤーであるRick Wakemanについて語ろうとすると、とにかくこれほど出戻りが多い人というのもめずらしいのではないかと、そんな話になってしまいます。
『Fragile』から参加したものの、『Tales From Topographic Oceans』の後に脱退、『Going For The One』で復帰したものの、『Tormato』の次のアルバムを録音中にまた脱退。Anderson Bruford Wakeman Howe(ABWH)から8人Yesで復帰したと思えばまた脱退。30年目の近いということで、『Keys To Ascension』とその続編の収められたコンサート、スタジオ録音をしたらまた脱退。このときのスタジオ録音部分を『Keystudio』としてまとめたのもRick.けれども35周年ツアーにはまた復帰しています。
なんだかすごくややこしいというか、何がなんだか、という感じですね。でも、Rickは肩の力を適度に抜くとほんとうにすばらしい音楽を奏でるのだけれども、本質的にはすごく軽い人なのではないか、そんなふうに思うのです。
Rickの多彩なキーボードがYesの音楽をどれほど変えたのかは、『Fragile』を聞くとわかると思います。でもその緊張感が続くわけではなく、しばらくすると脱退、となってしまうのだと思います。

そんなRickのプレイを楽しむアルバムとして、今回は『Tormato』を取り上げることにしました。リリースされたのは1978年、時代はパンクロック全盛という時期です。そんなこともあって、ジャケットの裏ではYesのメンバーは革ジャンにサングラスという姿。大作は姿を消し、ポップなナンバーがたくさん収録されているという、そんなアルバムになっています。元々は『Yes Tor』というタイトルだったそうですが、Hypnosisが描いたイラストにRickがトマトを投げつけたものが、最終的なジャケットになったといいます。
Rickはすごく軽い人なんじゃないか、そう書きましたが、たぶんそのことをもっともよく表しているのが、Rickの手によるナンバー「Arriving UFO」ではないでしょうか。とてもコミカルな曲で、どこまでまじめにやっているんだか、と思ってしまいます。この時期のアウトテイクで後に『Yes Years』に収録された「Money」ではRickは新聞を読んでいます。もちろんそれだけじゃなく、ぼくがYesの曲の中でももっとも好きなものの一つ「Madrigal」ではハープシコードを演奏していて、これがすごく美しいのです。
多分、Rickのもっとも優れたプレイは、こうした肩の力が抜けたときのものなのではないでしょうか。そうしたプレイを含めて、このアルバムもっともバラエティに富んだYesのアルバムだと思うのです。

Jon AndersonはYesをさらにポップな路線に押し進めようとしました。次のアルバムのためのセッションを録音はパリで行っていたのですが、そのときのインタビューでJonは、「もっとスポンテニアス(自発的)な音楽になる」と語っています。けれども、Rickを除く他のメンバーはそれを良しとせず、JonとRickは脱退します。
ところで、このときのRickの脱退にあたって、いろいろな噂が流れます。Rickは酔っ払ってスタジオに入ってきて、何を演奏しているかわからなかった、とか、他の、メンバーはビジタリアンなのにRickはそうじゃなかったからだ、とか。まあ、酔っ払ってスタジオに入るのはどうか、というのはありますが、ビジタリアンじゃないのはどうでもいいだろ、と思ってしまいます。まあ、それほどRickはすちゃらかな人だということでしょうか。

このあたりから、Rickの湯水のごとくアルバムをリリースする人生がはじまります。確かに、74年の『Journey To The Center Of The Earth』は大成功でした。けれども、そんなアルバムを毎回作れるわけではなく、どうでもいいような作品が、時には毎月のようにリリースされるようになります。さすがにぼくも付き合いきれず、全部を聞いているわけじゃないのですが。
けれども、力が抜けたときに、ふっと傑作が出来たりします。それが例えば、冬季オリンピックのドキュメンタリー映画のサウンドトラック『White Rock』だったりします。パーカッションとキーボードだけなのに、さまざまな表情の音を出していくのです。
さらに、Box Set『Treasure Chest』までリリース、そこには手違いで観客が10人くらいしか集まらなかったコンサートのライブ盤なども含まれています。
『Fragile』から参加したものの、『Tales From Topographic Oceans』の後に脱退、『Going For The One』で復帰したものの、『Tormato』の次のアルバムを録音中にまた脱退。Anderson Bruford Wakeman Howe(ABWH)から8人Yesで復帰したと思えばまた脱退。30年目の近いということで、『Keys To Ascension』とその続編の収められたコンサート、スタジオ録音をしたらまた脱退。このときのスタジオ録音部分を『Keystudio』としてまとめたのもRick.けれども35周年ツアーにはまた復帰しています。
なんだかすごくややこしいというか、何がなんだか、という感じですね。でも、Rickは肩の力を適度に抜くとほんとうにすばらしい音楽を奏でるのだけれども、本質的にはすごく軽い人なのではないか、そんなふうに思うのです。
Rickの多彩なキーボードがYesの音楽をどれほど変えたのかは、『Fragile』を聞くとわかると思います。でもその緊張感が続くわけではなく、しばらくすると脱退、となってしまうのだと思います。

そんなRickのプレイを楽しむアルバムとして、今回は『Tormato』を取り上げることにしました。リリースされたのは1978年、時代はパンクロック全盛という時期です。そんなこともあって、ジャケットの裏ではYesのメンバーは革ジャンにサングラスという姿。大作は姿を消し、ポップなナンバーがたくさん収録されているという、そんなアルバムになっています。元々は『Yes Tor』というタイトルだったそうですが、Hypnosisが描いたイラストにRickがトマトを投げつけたものが、最終的なジャケットになったといいます。
Rickはすごく軽い人なんじゃないか、そう書きましたが、たぶんそのことをもっともよく表しているのが、Rickの手によるナンバー「Arriving UFO」ではないでしょうか。とてもコミカルな曲で、どこまでまじめにやっているんだか、と思ってしまいます。この時期のアウトテイクで後に『Yes Years』に収録された「Money」ではRickは新聞を読んでいます。もちろんそれだけじゃなく、ぼくがYesの曲の中でももっとも好きなものの一つ「Madrigal」ではハープシコードを演奏していて、これがすごく美しいのです。
多分、Rickのもっとも優れたプレイは、こうした肩の力が抜けたときのものなのではないでしょうか。そうしたプレイを含めて、このアルバムもっともバラエティに富んだYesのアルバムだと思うのです。

Jon AndersonはYesをさらにポップな路線に押し進めようとしました。次のアルバムのためのセッションを録音はパリで行っていたのですが、そのときのインタビューでJonは、「もっとスポンテニアス(自発的)な音楽になる」と語っています。けれども、Rickを除く他のメンバーはそれを良しとせず、JonとRickは脱退します。
ところで、このときのRickの脱退にあたって、いろいろな噂が流れます。Rickは酔っ払ってスタジオに入ってきて、何を演奏しているかわからなかった、とか、他の、メンバーはビジタリアンなのにRickはそうじゃなかったからだ、とか。まあ、酔っ払ってスタジオに入るのはどうか、というのはありますが、ビジタリアンじゃないのはどうでもいいだろ、と思ってしまいます。まあ、それほどRickはすちゃらかな人だということでしょうか。

このあたりから、Rickの湯水のごとくアルバムをリリースする人生がはじまります。確かに、74年の『Journey To The Center Of The Earth』は大成功でした。けれども、そんなアルバムを毎回作れるわけではなく、どうでもいいような作品が、時には毎月のようにリリースされるようになります。さすがにぼくも付き合いきれず、全部を聞いているわけじゃないのですが。
けれども、力が抜けたときに、ふっと傑作が出来たりします。それが例えば、冬季オリンピックのドキュメンタリー映画のサウンドトラック『White Rock』だったりします。パーカッションとキーボードだけなのに、さまざまな表情の音を出していくのです。
さらに、Box Set『Treasure Chest』までリリース、そこには手違いで観客が10人くらいしか集まらなかったコンサートのライブ盤なども含まれています。





