愛車

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2007/09/22

世界で最も過酷な人間ドラマ…『ツール・ド・フランス』

ツール・ド・フランスは1903年に第一回が開催され、すでに100年以上の歴史を持つ自転車レース。
日本ではまだマイナーな存在であるが、世界的にはオリンピック、サッカーW杯に並ぶ、3大スポーツのイベントの一つとして数えられているほど人気が高い。

期間中の観戦者だけでも1500万人。
190ヶ国に中継されるテレビ中継を含めると約20億人以上が観戦するという、まさに世界最高峰のスポーツイベントである。

<まさに超人!選りすぐられた選手たちの命をかけた闘い>
ツール・ド・フランスは、ただの自転車レースではない。
選手一人一人の生き様、今まで歩んできた人生を垣間見ることができる人間ドラマだ。

しかも、他のスポーツと違い、選手一人一人の息づかいや、表情、それに選手同士の駆け引きから周りの雰囲気・空気感などが画面を通して、詳細に感じ取ることができる醍醐味もある。


まるで自分もその場で観戦している錯覚に陥る感覚はたまらない。
特に山岳ステージでの選手の血管が切れてしまうのでは!?と思ってしまうほどの苦しそうな表情を見ていると、こちらまで息苦しくなってくる。

こうした臨場感は、プロ野球やJリーグ、相撲など固定カメラで遠くから撮影しているスポーツでは絶対に感じられない迫力。
ツール・ド・フランスからは、生きることへの執念やあきらめない気持ち、そして不可能はないということを学ばせられる。
マラソンなど持久系スポーツの愛好者が多い日本でも、もっと人気が出てきていいスポーツだと思う。

こんなツール・ド・フランスに参加できるチーム数は毎年20〜21チーム、人数にすると200人以下に限られている。
今年は21チームの出場となり、1チーム9人で構成されるので、計189人となった。

注目してほしいのは、選手達の驚異の身体能力である。

選手の平均体脂肪率は驚きの5%以下。
一人が消費するエネルギーは1日7.000キロカロリーともいわれ、1日にかく汗の量は10〜12ℓ。
平常心拍数は一分当たり30拍前後の驚異的身体能力で、一日5〜6時間の過酷なレースを走りぬく。

究極の肉体を持つ選手達は、アルプス、ピレネーなどの山岳地帯を越え、一日平均200kmを走り、21日間をかけてフランスをほぼ一周する。
その総走行距離はなんと3.600km!
毎年30人近い選手がリタイアするなど、その過酷さは一般人では知りえない未知の領域といっていい。

しかもたった2cm幅のタイヤに命を預け、平地を40〜70km/hものスピードで走り続ける。
山岳地帯の下り坂では、ガードレールなど無い断崖絶壁の細い道路を時速120kmで走行するなど、常に命の危険と隣り合わせ。
見ていて人間の無限の可能性を感じてしまう。
レースを完走するには超人的な体力だけではなく、並外れた精神力が必要であろう。

何しろ、1999年から2005年のツール・ド・フランスで前人未到の7連覇を果たしたランス・アームストロング(アメリカ)もこのツール・ド・フランスを1995年までは一度も完走したことがなかったというから、その過酷さが推し量れる。



こんな極限状態で頂点を極めようと、レース中に選手が繰り広げる
“人間ドラマ”は時には人生に例えられる。

20日間に凝縮された勇気、信頼、限界、怒り、友情…はまさに生命の賛歌。
これら全ての感情が編みこまれたレースは、多くの見る人を引き付けてやまない。
そして同時にそのドラマは、私たちに生きる勇気と活力を与えてくれるものでもある。

<いくつもの二千メートル級の山岳を越え、3.600kmを走り抜ける>

21日間、総走行距離3.600kmのレースは、大きく分けて以下の3つのステージに分けられる。


(1) 平坦ステージ(時速70kmものスピードでゴールに飛び込んでくる)
2) 山岳ステージ(アルプスやピレネーの標高差2.000mの急勾配を駆け上がる)

(3) タイム・トライアル(9人のチームが一丸となり、矢の様に走る)
この3タイプで構成された計20ステージの合計所要時間が、最も短かった個人総合成績1位の選手に、最も名誉ある黄色のジャージ『マイヨ・ジョーヌ』(maillot jaune)が与えられる。
それを求め、己の人生をかけた闘いが繰り広げられるのだ。

* マイヨ・ジョーヌはフランス語で「黄色いジャージ」を意味する。なぜ黄色かというと
  ツール・ド・フランスを創設したフランスのロト紙が黄色い紙面をしていたことに
  始まる。

<アシストの犠牲のもとにエースの勝利は成り立っている>
9人で構成される各チームには1人の「エース」とそれをサポートする8人の「アシスト」という役割分担がある。
アシスト選手に求められるのは、勝利ではなく「いかにエースのために、チームのために貢献できるか」ということだけ。
例えば、エースが喉の渇きを訴えたとき、アシストはドリンクを集団の後ろまで下がって、随行するチームカーに取りにいく。
エースに疲れが見えたら、自らの体力を削り風除けになったり、もしくはエースの自転車がパンクなどのトラブルに見舞われたら自分のバイクを差し出すことさえある。
自分のバイクを失ったアシストはただ道路に立ちすくすのみだ。
この様にチームのエースの活躍はアシストの犠牲の上にあるといっても過言ではない。
それだからエースは常にアシスト選手への感謝を忘れることはない。
ツール・ド・フランスでの勝利はチームメイトへの感謝と信頼なくしては語れないのだ。





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