愛車

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2008/11/14

ピストと心に刻む…横浜松坂屋最後の夜

ピストって不思議な乗り物だ。
ロードやミニベロと同じ自転車なのに一体感が違う。
まるで足とペダルがくっついた様な…ハンドルが自分の腕になった様な…そしてピストが自分の考えを知っているような。

相性抜群!ピストとの息はピッタリ!!
そう、ペダルを漕ぐだけで信じられない場所に行けるんだよね。


日頃の多忙から解き放たれ、気ままなライディングをするとさ…色々なことを学ぶんだよね。

例えば…街にも生命(いのち)があるってこと。


鶴見川サイクリングロード。
心に活力を与えてくれる景色。開放感もタップリ。こんなことが贅沢だと思えるんだよね。


JR川崎駅西口のミューザ。ジッと佇むビル。そこに夕日が反射していた。
無機質なビルに生命(いのち)が吹き込まれている気がした。


旧東海道・品川宿。
歴史を重ねたお店が沿道に数珠繋ぎ。
お蕎麦にうなぎ屋さん、駄菓子屋、畳屋、タバコ屋など懐かしいお店が軒を連ねている。
住む人たちの愛情を吸収し、品川宿が人格を持っているような気がする。
町って生きている。


品川。
八ッ山橋からの品川駅方面を望む。
喧騒に包まれた都会を、静かな場所から見ると何故か心が落ち着く。


サラリーマンで良かった、と心から思うよ。
仕事を終えた開放感に浸りながら一陣の風になる…こんな贅沢、他にある!?

これからさらに忙しく、そして寒くなるけど、自転車に乗る回数は減りそうもない…むしろ増えるだろう。

<哀愁漂う横浜の夜を駆ける>

今日も横浜へ。


向かったのは伊勢佐木町。物凄い混雑だ。
それもそのはず、今日(2008年10月26日)、横浜松坂屋が閉店する。
惜しまれながら144年の歴史の幕を閉じるのだ。


自分にとっても思い出の多い百貨店だった。
小さい頃、両親に何度も連れて行ってもらったものだ。

あの頃、百貨店は自分にとって夢溢れる世界。
熱気溢れる賑わいに興奮したり、綺麗な女性店員に恋心を抱いたり…。
地下食品売場で買ってもらった鯛焼きをモグモグほお張ったり、思い出すことは楽しいことばかり。
そういえば、おもちゃ売場の超合金ロボットやガンプラ(ガンダムのプラモデル)を欲しがり、連れて行こうとする母親の手を振り切って、床に寝転がり泣き喚いたものだ。

ちなみに一度、違うおもちゃ屋で、私が泣き喚いていたら店主が出てきて母親に、『迷惑だから他で泣かせてくれ!』と注意された事もあったという。腕白だったんだね。

そういえば、こんなこともあったそうだ。
私が5歳の時に店内で迷子になり、父が案内所で、それらしい迷子の届けはないか尋ねたそうだ。
しかし迷子の届けは無く、心配になってきた父を女性店員の方が、『大丈夫ですよ、必ず見つかりますから』と声をかけてくれ一緒に店内を探してくれたそうだ。

”迷子になってどこかで泣いているんじゃないか””もし変な人に誘拐されたら…”そんな不安な気持ちが湧き上がってきた父は、心配でしょうがなかったそうだ。
しばらく二人で探していると、どこからか満面の笑みで走ってくる私。
安心した父親と、一緒に喜んでくれた店員さんが飴玉をくれ、私は大いに喜んだという。

私はこの件は全く記憶にないのだが、事あるごとに父親が話していたことを思い出す。
百貨店には思いやりと温もりがあった。
現在は百貨店の存在意義が薄れ、働いている人と来店する人の関係も希薄になりつつある。
しかし当時の自分にとって百貨店とは、かけがえのない思い出を刻み込んでくれる場所だった。

そんな横浜松坂屋がなくなる。


閉店当日も設置されていた、お客様アンケート。決して反映されることのない声。
同じ業界に居る者としては、あまりにも残酷な眺めだ…。





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