チャリ通勤で…東京湾を一周!(後編)
<トラブル発生。そして思いも寄らぬ出来事が…>
君津市内を過ぎると357号線は“内房なぎさライン”に入り、人家も車の往来も殆ど無い寂しすぎる山奥の道に…。
行けばいいんでしょ…。

すぐに、車が近づく音が聞こえたので、広めにマージンをとってやり過ごす。
車はモノ凄いスピードで追い抜いていった。
ドライバーもビックリしたに違いない。こんな時間に、こんな山奥でミニベロ漕いでいるんだから。

トンネルもあり『山奥のトンネル=心霊現象が起きやすい』というイメージを持っている自分は、かなり肝を冷やしたさ。
あまりの暗さにミニベロの前照灯だけでは周囲の状態が分からず、デジカメのフラッシュを焚いてみたが全くの逆効果。
一瞬しか明るくならないし、それより何かが見えちゃったらどうするよ。
そんなこんなで悪戦苦闘していたその時、予想外のことが起こる。
唯一の頼りだったミニベロの前照灯が…なっなんと徐々に暗くなってきているではないか〜!!!
電池切れだった…。
そういや、ここ数ヶ月、電池交換してなかったな…。
ヒェ〜〜〜。
お願いだから消えないで。都会っ子の僕に、こんな真っ暗闇の山奥は無理だよ。絶対に。
しかし無情にも、5分と経たないうちに前照灯は否応無く明るさを失っていった。
さっきまで街中を走っていたから気がつかなかった。
もう、時計のインディゴライト並みの明るさかしか無い。
目の前は真っ暗さ…。こんな肝心な時に〜。
正真正銘、山奥に独りぼっちに。
目を凝らして先を見ようとするが何にも見えない。
せめて満月だったら月の明かりで何とか道の方向は分かるが、この時、月は雲に隠れていた。
人家も街灯もない真っ暗闇の山奥に唯一人残されてしまった。
しかも追い討ちをかけるように、内房なぎさラインの上り坂が立ちはだかる。
立ち漕ぎしないと進めない。
恐怖で眠気も吹っ飛び“我武者羅ペダリング”さ。
それにしても、この状況はかなりヤバ過ぎ。10m先がどうなっているかも分からない。
『――引き返そうかな。』
最後の手段が頭に浮かぶ。朝まで街に居て、明るくなったら再出発という手もある。
だけど明日(厳密に言うと今日)の夕方には知り合いと横浜・中華街で待ち合わせをしているので、遅くても10時には自宅には戻りたい。すると浜金谷港の始発フェリーに乗るには、今ここで引き返す事は許されない。
だいたい、ここから戻るにしても山奥に居ることに変わりは無い。
まあ、房総の森に熊が居るわけもないし、無論、幽霊なんて存在するわけもない…。
行くしかない…無理やり納得して進むことにした。
でも“幽霊”か…余計なことを考えちゃったよ。
暗闇の中、思い浮かぶのは…『怨霊』『貞子』『口裂け女』『八つ墓村』etc…。
ヒィィィ(心の中の悲鳴)
必死で打ち消けそうとした。
もっと楽しい事を考えろ!
『3の倍数と5のつく数字』『房総をサイクリングゥ〜♪』…。
駄目だ…あの芸人達の顔が、どうしても妖怪の顔に変化してしまう。
全ての思考が、恐ろしいことに繋がってしまう。
なら歌を唄うか?
いや、やめたほうがいい。誰かがハモってきたら確実に気絶するさ。
それにしても夜中の森が、こんなにも不気味だったとは。
目を凝らして森を見ることができない。
だって得体の知れない“何か”と目が合ったらどうする?
?時?分:内房なぎさライン

もう時間を確認する余裕も無い。平坦な道を走っているのか、坂道なのか状況が分からないまま時間が過ぎた。
まるで真っ暗闇のトンネルを走っているような感覚だ。平衡感覚も失いそう。
しかも気のせいなんだろうけど、背後に得体の知れない視線を感じながら山道を走る。
フクロウ、サル、タヌキ達が冷やかしているに違いない…そう考えるようにした。
と、その時。
脇の雑木林を何かが走り去る音!!
恐らく狸か猿なんだろうけど…この時はマジで心拍数が200超えたッス(笑)
自分の中では、貞子が背中丸めて走ってたから。
それでも20分程すると、暗闇にも目が慣れてきて何となく周りの状況が分かってきた。
携帯画面を見ると3時55分だった。そういえば、わずかだが空が白すんできた気がする。
所々に水田があるのが分かる。
聞こえるのは牛蛙の鳴き声だけ。前も後ろも闇が支配しているが、山と山の間に美しい水田が広がっているのが認識できた。
『明け方が近い♪』
そう感じた私はさらに先を目指す。
そして、次に姿を現したのが…ヤバそうなトンネルだった。

しかも入り口脇にお墓が…。
気持ちの良いトンネルではないが、久しぶりの明かりだ。
この頃になると、度胸も座ってきたから写真を撮る余裕も残っていた。
トンネルの中は、ヒンヤリして空気感の様なものが違った。
そ〜れ!ブログ用に一枚記念写真だ。
パシャ!
そしてミニベロに、またがろうとした。
その刹那、生ぬるい風が吹き抜けた様な気がした。
『ピロピロピロリ〜♪♪』
『!!!???』
突然、携帯電話が音楽を奏で始めた。しかも聞いたことが無い曲を。
もう心臓が口から出そうになった。
何で音楽が出るの??いつもは必ずマナーモードでバイブレーションにしているのに。
しかもメールが着信しているではないか!!
(もちろん、この時も携帯はマナーモードになっている)
やばい…ホントに幽霊呼んじゃった!?
頭をよぎる恐怖…。
『着信アリ』…。
このメールを見た時、トンネル入り口で白髪の女性が手招きをしているのでは…。
背筋も凍る考えが、頭を駆け巡る。
マジでこの時、自分はどうかしていた。髪の毛も逆立っていた。
『霊感が全く無い自分も、ついに霊体験か―』
しかし幸いにもメールは、いつもの迷惑メールだった。トンネルの出口に誰も立っていなかった。
だけど、心臓止まりそうになったよ。
トンネルも無事に抜けることができたが、今だに私の携帯はマナーモードにできないでいる。
…理由は分からない。
でもあのタイミングで、あの出来事…何だったのか?
おそらく操作ミスなんだろうけど、今でも原因が分からない。
もう一ヶ月以上経つのに、いまだに着信の時に音楽が鳴ってしまう…マナーモードになっているのに。
でも不幸には会っていないから、もしかしたら“房総の神”が悪戯したんじゃないかと考えている今日この頃。
早くauに行って修理してもらわないと…。
午前4時過ぎ:佐貫(さぬき)町付近
わずかだが空が白々してきた。しかも長い長い山道を抜けた様だ。

道路標識、カーフェリーの案内板、信号機…現代文明の匂いがする!心も落ち着きを取り戻してきた。
内房なぎさラインの真っ暗な山道は約7km、時間にして30分位かかった。たいした距離ではなかったが、本当に長〜く感じた。

そして、恐怖の後には、最高のご褒美が待っていた。
これぞ日本の原風景。山麓に広がる一面水田の中をミニベロと進む。
道路に止まって、はるか麓まで広がる水田を眺める。
空気が美味しい。この静寂も最高の癒しだ。
朝靄に霞む山は、真夜中のそれとは全く違う優しい表情をしている。母なる大地の不思議な包容力、美しさを感じた。
朝日に向かって進め!!

<さらに続きは次回で…>
申し訳ない。今回も大幅に字数オーバーです。
ここから浜金谷港までの15km。そして久里浜から横浜までの42kmの合計57kmの道中は来週お送りしたい。

24時間以上不眠不休。恐怖で疲れきった身体と心であるが、夜明けと共に、変わり者の自転車ツーキニストを迎えてくれた房総半島は、最高の一言。
心に残る風景の連続だった。

海沿いにたたずむ竹岡の魚村。内房線の可愛らしい駅舎。
フェリーに乗り久里浜港までの小さな船旅(熟睡してたけど)。
睡魔と闘いながらの久里浜から横浜までの42kmなどなど。

道中、『自分は一体何をしてるんだ…』感に、襲われた事も少しはあったけど終わってみれば、今回のチャリ通勤では沢山のことを学んだ。

まず東京湾は広い。チャリ通勤で175kmは長過ぎる。そして…暗闇はまっぴらだ!ということ。
もちろんミニベロは最高。
チャリ通勤も最高の大人の遊びだ。
そして、さらに学んだこと。
人生苦しいことの方が多い。長く暗い闇、谷あり山あり。苦しいことの連続が人生。
だけど、諦めず常に前に進めば、必ず努力は報われる。
つらかった事が懐かしい思い出に”昇華”する日まで頑張れ!
3週に渡ってしまった”チャリ通勤で東京湾一周”。
次回は、もの凄い睡魔により予想以上に苦戦した浜金谷から横浜までを、お送りさせて頂きたい。
君津市内を過ぎると357号線は“内房なぎさライン”に入り、人家も車の往来も殆ど無い寂しすぎる山奥の道に…。
行けばいいんでしょ…。

すぐに、車が近づく音が聞こえたので、広めにマージンをとってやり過ごす。
車はモノ凄いスピードで追い抜いていった。
ドライバーもビックリしたに違いない。こんな時間に、こんな山奥でミニベロ漕いでいるんだから。

トンネルもあり『山奥のトンネル=心霊現象が起きやすい』というイメージを持っている自分は、かなり肝を冷やしたさ。
あまりの暗さにミニベロの前照灯だけでは周囲の状態が分からず、デジカメのフラッシュを焚いてみたが全くの逆効果。
一瞬しか明るくならないし、それより何かが見えちゃったらどうするよ。
そんなこんなで悪戦苦闘していたその時、予想外のことが起こる。
唯一の頼りだったミニベロの前照灯が…なっなんと徐々に暗くなってきているではないか〜!!!
電池切れだった…。
そういや、ここ数ヶ月、電池交換してなかったな…。
ヒェ〜〜〜。
お願いだから消えないで。都会っ子の僕に、こんな真っ暗闇の山奥は無理だよ。絶対に。
しかし無情にも、5分と経たないうちに前照灯は否応無く明るさを失っていった。
さっきまで街中を走っていたから気がつかなかった。
もう、時計のインディゴライト並みの明るさかしか無い。
目の前は真っ暗さ…。こんな肝心な時に〜。正真正銘、山奥に独りぼっちに。
目を凝らして先を見ようとするが何にも見えない。
せめて満月だったら月の明かりで何とか道の方向は分かるが、この時、月は雲に隠れていた。
人家も街灯もない真っ暗闇の山奥に唯一人残されてしまった。
しかも追い討ちをかけるように、内房なぎさラインの上り坂が立ちはだかる。
立ち漕ぎしないと進めない。
恐怖で眠気も吹っ飛び“我武者羅ペダリング”さ。
それにしても、この状況はかなりヤバ過ぎ。10m先がどうなっているかも分からない。
『――引き返そうかな。』
最後の手段が頭に浮かぶ。朝まで街に居て、明るくなったら再出発という手もある。
だけど明日(厳密に言うと今日)の夕方には知り合いと横浜・中華街で待ち合わせをしているので、遅くても10時には自宅には戻りたい。すると浜金谷港の始発フェリーに乗るには、今ここで引き返す事は許されない。
だいたい、ここから戻るにしても山奥に居ることに変わりは無い。
まあ、房総の森に熊が居るわけもないし、無論、幽霊なんて存在するわけもない…。
行くしかない…無理やり納得して進むことにした。
でも“幽霊”か…余計なことを考えちゃったよ。
暗闇の中、思い浮かぶのは…『怨霊』『貞子』『口裂け女』『八つ墓村』etc…。
ヒィィィ(心の中の悲鳴)
必死で打ち消けそうとした。
もっと楽しい事を考えろ!
『3の倍数と5のつく数字』『房総をサイクリングゥ〜♪』…。
駄目だ…あの芸人達の顔が、どうしても妖怪の顔に変化してしまう。
全ての思考が、恐ろしいことに繋がってしまう。
なら歌を唄うか?
いや、やめたほうがいい。誰かがハモってきたら確実に気絶するさ。
それにしても夜中の森が、こんなにも不気味だったとは。
目を凝らして森を見ることができない。
だって得体の知れない“何か”と目が合ったらどうする?
?時?分:内房なぎさライン

もう時間を確認する余裕も無い。平坦な道を走っているのか、坂道なのか状況が分からないまま時間が過ぎた。
まるで真っ暗闇のトンネルを走っているような感覚だ。平衡感覚も失いそう。
しかも気のせいなんだろうけど、背後に得体の知れない視線を感じながら山道を走る。
フクロウ、サル、タヌキ達が冷やかしているに違いない…そう考えるようにした。
と、その時。
脇の雑木林を何かが走り去る音!!
恐らく狸か猿なんだろうけど…この時はマジで心拍数が200超えたッス(笑)
自分の中では、貞子が背中丸めて走ってたから。
それでも20分程すると、暗闇にも目が慣れてきて何となく周りの状況が分かってきた。
携帯画面を見ると3時55分だった。そういえば、わずかだが空が白すんできた気がする。
所々に水田があるのが分かる。
聞こえるのは牛蛙の鳴き声だけ。前も後ろも闇が支配しているが、山と山の間に美しい水田が広がっているのが認識できた。
『明け方が近い♪』
そう感じた私はさらに先を目指す。
そして、次に姿を現したのが…ヤバそうなトンネルだった。

しかも入り口脇にお墓が…。
気持ちの良いトンネルではないが、久しぶりの明かりだ。
この頃になると、度胸も座ってきたから写真を撮る余裕も残っていた。
トンネルの中は、ヒンヤリして空気感の様なものが違った。
そ〜れ!ブログ用に一枚記念写真だ。
パシャ!そしてミニベロに、またがろうとした。
その刹那、生ぬるい風が吹き抜けた様な気がした。
『ピロピロピロリ〜♪♪』
『!!!???』
突然、携帯電話が音楽を奏で始めた。しかも聞いたことが無い曲を。
もう心臓が口から出そうになった。
何で音楽が出るの??いつもは必ずマナーモードでバイブレーションにしているのに。
しかもメールが着信しているではないか!!
(もちろん、この時も携帯はマナーモードになっている)
やばい…ホントに幽霊呼んじゃった!?
頭をよぎる恐怖…。
『着信アリ』…。
このメールを見た時、トンネル入り口で白髪の女性が手招きをしているのでは…。
背筋も凍る考えが、頭を駆け巡る。
マジでこの時、自分はどうかしていた。髪の毛も逆立っていた。
『霊感が全く無い自分も、ついに霊体験か―』
しかし幸いにもメールは、いつもの迷惑メールだった。トンネルの出口に誰も立っていなかった。
だけど、心臓止まりそうになったよ。
トンネルも無事に抜けることができたが、今だに私の携帯はマナーモードにできないでいる。
…理由は分からない。
でもあのタイミングで、あの出来事…何だったのか?
おそらく操作ミスなんだろうけど、今でも原因が分からない。
もう一ヶ月以上経つのに、いまだに着信の時に音楽が鳴ってしまう…マナーモードになっているのに。
でも不幸には会っていないから、もしかしたら“房総の神”が悪戯したんじゃないかと考えている今日この頃。
早くauに行って修理してもらわないと…。
午前4時過ぎ:佐貫(さぬき)町付近
わずかだが空が白々してきた。しかも長い長い山道を抜けた様だ。

道路標識、カーフェリーの案内板、信号機…現代文明の匂いがする!心も落ち着きを取り戻してきた。
内房なぎさラインの真っ暗な山道は約7km、時間にして30分位かかった。たいした距離ではなかったが、本当に長〜く感じた。

そして、恐怖の後には、最高のご褒美が待っていた。
これぞ日本の原風景。山麓に広がる一面水田の中をミニベロと進む。
道路に止まって、はるか麓まで広がる水田を眺める。
空気が美味しい。この静寂も最高の癒しだ。
朝靄に霞む山は、真夜中のそれとは全く違う優しい表情をしている。母なる大地の不思議な包容力、美しさを感じた。
朝日に向かって進め!!

<さらに続きは次回で…>
申し訳ない。今回も大幅に字数オーバーです。
ここから浜金谷港までの15km。そして久里浜から横浜までの42kmの合計57kmの道中は来週お送りしたい。

24時間以上不眠不休。恐怖で疲れきった身体と心であるが、夜明けと共に、変わり者の自転車ツーキニストを迎えてくれた房総半島は、最高の一言。
心に残る風景の連続だった。

海沿いにたたずむ竹岡の魚村。内房線の可愛らしい駅舎。
フェリーに乗り久里浜港までの小さな船旅(熟睡してたけど)。
睡魔と闘いながらの久里浜から横浜までの42kmなどなど。

道中、『自分は一体何をしてるんだ…』感に、襲われた事も少しはあったけど終わってみれば、今回のチャリ通勤では沢山のことを学んだ。

まず東京湾は広い。チャリ通勤で175kmは長過ぎる。そして…暗闇はまっぴらだ!ということ。
もちろんミニベロは最高。
チャリ通勤も最高の大人の遊びだ。
そして、さらに学んだこと。
人生苦しいことの方が多い。長く暗い闇、谷あり山あり。苦しいことの連続が人生。
だけど、諦めず常に前に進めば、必ず努力は報われる。
つらかった事が懐かしい思い出に”昇華”する日まで頑張れ!
3週に渡ってしまった”チャリ通勤で東京湾一周”。
次回は、もの凄い睡魔により予想以上に苦戦した浜金谷から横浜までを、お送りさせて頂きたい。





