愛車

Column Title : 

2007/05/18

忘れかけていた欲望を目覚めさせてくれた英国のスポーツカー

ジャガーからニューXKR試乗会の案内が届いたのは、僕にとって大変幸運なことだった。試乗会の会場はハイアットリージェンシー箱根リゾート&スパ。ニューモデル試乗会などで年に幾度となく足を運ぶ箱根周辺だが、このホテルを訪ねるのは初めてのことだ。ホテルの小さな案内を頼りにゆっくりとクルマを進める。ホテルはケーブルカーの上強羅駅に近く、周辺の環境に溶け込んだ気品ある佇まいを見せる大人の隠れ家的存在。聞けば昨年12月にオープンしたばかりだという。エントランスにはエレガントなフォルムのジャガーXKRが並べられ、僕らを出迎えてくれた。箱根の新しい高級リゾートとジャガーのニューモデルといった組み合わせに、到着早々、僕の心は躍らされた。上手い演出だ。


 ジャガーXKRは、昨年約10年振りのフルモデルチェンジを行ったXKのスポーツモデル。クーペとコンバーチブルの2タイプのボディが用意されている。往年の名車であるEタイプを彷彿とさせる美しいスタイルはそのままに、精悍なフロントメッシュグリルやスーパーチャージャー用に設けられたボンネットルーバー、アルミニュウム仕上げのパワーベントなど“R”であることの証が随所に見られる。一転インテリアには、やはりトラディッショナルなブリティッシュ・スタイルが貫かれている。バーウォールナットのパネルや上質な本革シートには、ジャガー伝統のクラフトマンシップが受け継がれている。ステアリングの奥に覗く丸型メーターは小ぶりで、いかにも英国のスポーツカーといった雰囲気を醸し出している。また、インパネセンターにはタッチパネル操作が可能な7インチモニターを備えたDVDカーナビが標準装備されるなど、今に合わせた変化も見られる。


まずはクーペに乗り込み、芦ノ湖スカイラインを含む試乗コースへとXKRのステアリングを握る。4月中旬の箱根は桜の盛りを終え、目に鮮やかな新緑が眩しい季節を迎え始めたところ。緑に包まれた箱根を走る。晩春の陽光が木漏れ日となってXKRのフロントウィンドウを駆け上がっていく。パワーユニットは、4.2LのV8DOHCエンジンにスーパーチャージャーをプラス。最高出力462馬力、最大トルク560Nmのパワーを誇る。軽くアクセルを踏み込むだけで、強烈な加速が味わえる。トラクションコントロールやダイナミックスタビリティコントロールが装備されていなければ、僕などではとても扱えるクルマではない。トランスミッションはLゲート式の6速AT。ステアリングにはF1のようなパドルシフトが装備されている。オプションの20インチアルミホイールを履いた足は、かなり固めの印象をもった。仙石原や湖尻周辺の一般道ではゴツゴツとした乗り心地で、ジャガーのイメージとは随分異なる。この後に標準の19インチを装着したコンバーチブルに試乗したが、こちらはしなやかなフットワークを披露。箱根を優雅に、時にしたたかに駆け抜けた。コンバーチブルはボディ剛性も高く、スポーツカーとしてドライブする楽しみも兼ね備えている。布製の幌の開閉は全て電動で、ボタンひとつの操作で行える。クーペ/コンバーチブル共に4人乗りではあるが、いろいろな意味で2人で乗りたいクルマだ。


車両本体価格はクーペが1330万円、コンバーチブルが1430万円。僕にはとてもとても遠い存在だが、ここ数年忘れかけていたクルマへの欲望を沸き立たせてくれた1台だった。





この記事のトラックバックURL:

特集

何も足さない究極の「原音」に触れる 「知名御多出横」
会員登録プレゼント

新着こだわりコラム

担当ディレクターの「裏・建もの探訪」

2008/11/19 担当ディレク… 都心のパー…

男子厨房を愛す

2008/11/18 男子厨房を愛す 鍋をめぐる…

旧車キャンピングカー『旅するT-3』

2008/11/18 旧車キャンピ… 「シーカヤ…

エクストリーム アイロニング

2008/11/18 エクストリー… アイロン台…

カーライフ最前線

2008/11/17 カーライフ最… 2008〜…