愛車

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2007/03/01

昔々バイクは男の乗り物だった!

 昔々のバイクは、鉄のパイプでガッシリと溶接され、エンジンだって鉄製で、重量感もたっぷりで、いかにも頼りがいのある乗り物でした。鉄馬と呼ばれた時代です。

昔々のバイクは男の乗り物でした。強引にねじ伏せる荒々しい男の腕力が必要でした。それが何の断りもなくいつの間にか、気がついたら女・子供までが扱える軟弱なお楽しみ遊具に成り下がってしまったのです。なさけない。

嗚呼それなのにそれなのに、重く荒ぶる鉄のバイクは、いつの間にか鉄を駆逐して、ペラペラで軽いプラスチックとアルミニュームの、まるで台所用品の寄せ集めみたいな、たよりないバイクに変化してしまいました。学校で「鉄は国家なり」と教わった身としては、磁石がつかないものは信用できません!
プラスチックとアルミ化で静かで軽量になったバイクは、力は必要なくなり、女・子供も楽に扱えるようになり、男専用と思っていた鉄馬が、若い女の子に「カワイイ〜!」なんて言われるように成り下がってしまったのです。なさけない。
と嘆いていますが、技術と材質の進歩で、熊も猿も乗れるバイクとなったことは、とてもすばらしいことです。カワイイ〜!なんてお言葉を聞きながら、ぜひご一緒に走りたい!と念じている今日この頃でもあります。本当になさけない。

昔々といっても、ぼくがバイクに乗り始めたのは50年前、と〜ぜん無免許の中学生でした。当時はどこにもいた、悪いこと教えるお兄さんに手ほどきを受けました。
この時代、女・子供がバイクに乗れなかった理由の一つに、むずかしいエンジン始動があります。ボタンを押せばエンジンがかかる、なんてお気楽な時代ではなく、キックペダルに体重を乗せて、歯を食いしばって思い切り踏み込む形式でした。
ペダルを踏み込むだけじゃんと思うでしょうが、キック中に「ケッチン」というオソロシイ現象が待っているのです。

ケッチンとは、簡単にいうと体重をかけて途中まで足で踏み込んだキックペダルが、目にも止まらぬ凄い速さでパン!と逆転して跳ね上がるのです。バイクにまたがり全体重をキックペダルに乗せて踏み込んだ瞬間にケッチンがくると、身体は空中に跳ね上げられます。
思い切って一気に最下点までキックできればケッチンはきません。怖がって中途半端なキックをすると、なぜか強烈なケッチンが来ます。足をくじいたり骨折もありました。

サンダル履きでキックをし、強烈なケッチンをもらったことがあります。飛ばされた足がバイクの部品にあたり、足首の皮膚が厚くズルリとむけ、アキレス腱が白く丸見え、きれいな肉が見えてしばらくは血も出ません。
びっくりして止めていた息を吐き出した瞬間、真っ赤な血が肉の間からプクリと顔を出し、ボタボタと合流して流れ出したらもう血は止まりません。大けがは不思議とその場では痛みを感じません。

今こんなケガが頻発すれば、メーカー製造責任がどうのこうのと大騒ぎでしょうが、当時はこんなことは当たり前でした。キックだけでも血まみれ状態になった昔のバイクは、女・子供には近寄りにくい存在だったのです。
今、ヘルメットから長髪なびかせ颯爽と走る女性ライダーを見ながら心の中で叫びます。昔々のバイクは男の乗り物だったんだぞー。ほんとになさけない!。





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